6月11日(日)。
セビリア(Sevilla)の町にはメトロ(地下鉄)が走っており、ホテルの近くにも出入口があったのですが、時間の都合で今回はパスせざるを得ませんでした。
それは単に優先順位の問題だったのですが、何せ団体行動の隙間を縫っての鉄活。朝食から出発の時間まででおでかけ。
前日、ホテルに向うバスの中から工事中の線路が見えたので、そこに足を運んだのです。
どこからどう見ても路面電車(トラム)の新設工事。
日曜日でしたので、工事は行われていませんでした。が、重機が置きっ放しでしたので、正に佳境に入っていると思われました。
コンクリートの路盤の上に溝付きレールを敷設中。
道路工事ですので、市民生活にはそれなりに影響はあるのでしょうが、公共交通に対する市民の理解が進んでいるとされているヨーロッパでは、最早日常の光景となっているのかも知れません。
いつ開業するのだろうとホテルの方にお聞きしたところ、「秋頃と聞いている」との答が返ってきました。
この状態から半年経たずしての開業?と思ってみたものの、あとでそのからくりに気付くのですが、実はセビリアのトラムはそもそも架線レス。
なおかつここは電停にも架線を貼らない架線レスと推察しています。この写真で電停部分の線路の中にコイル様のものが見えますが、そこから非接触で、停車中のみ充電するタイプと思われ、フランス/ニース市に同様の架線レストラムの実績があることからそのタイプで間違いないと思っています。
(写真提供:都市交通研究家/服部重敬氏)
これがフランス/ニース市のトラム。線路の中にある板状のものがあるところで給電するシステムで、SRSと言うのだそうです。
メーカーであるALSTOMのウェブサイトでは
Clear skies for cities
SRS is a technological breakthrough in electric public transport, enabling city authorities to operate clean, quiet electric fleets without unsightly or obstructive catenary masts and overhead lines. This is an added advantage for cities with exceptional architectural heritage or constraints such as narrow streets or bridges, where overhead infrastructure is unsuitable or unfeasible. The charging system can be used at stops and at line terminuses, in particular for electric buses which can fully recharge in the space of a few minutes.
とあり、
翻訳ソフトで一部を訳すと「これは、例外的な建築遺産や、狭い通りや橋などの制約があり、架空インフラが不適切または実現不可能な都市にとっては、さらなる利点となります。」となし、セビリアのトラムにはぴったりのシステムであることが分かります。
何れにしろ、架線がなければ地上の工事だけなので、工期の短縮には貢献できそうです。
なおこの路線ですが、ヨーロッパのトラムを紹介するサイトによれば、まだ開通していないようです。