6月15日(木)。
私はこの日のためにスペインに来たと言っても過言ではありません。
タイトルはシンプルに「サグラダ・ファミリア」。本当はもっと気の利いた形容詞で飾ったタイトルにしようと思っていたのですが、いざ実際に見た後では、そういうものではないと感じやめました。
それが私の精一杯のアントニ・ガウディへのリスペクトです。
サグラダ・ファミリア(Sagrada Família)。
聖家族贖罪教会(Temple Expiatori de la Sagrada Família)。聖家族教会と呼ばれることも多いそうです。
Temple=教会
Expiatori=償い
Sagrada=神聖
Família=家族
若い頃からここに来たかったかと言えばそうではなく、還暦を過ぎた頃にたまたまスペイン/カタルーニャの建築家アントニ・ガウディの特集記事を読んだことがあり、それに感銘を受け、いつかはサグラダ・ファミリアと向き合いたいと思うようになっていました。
それまでも「サグラダ・ファミリア」という“観光地”は知っていたもののさしたる興味はなく、想定外の大転換が私の中であったのです。
巨大な建設現場。天空を舞うクレーンには圧倒されます。
サグラダファミリアの顔ともいえる生誕のファサード。朝日を受けて輝いて見えます。
そしてその前に置かれた完成予想模型。
グレイの部分が今ある完成部分。
淡い黄色の部分は未完成部分。
毎年とは言わないまでも、定期的にこの場に通う人がいると現地ガイドさんから聞きましたが、その人の気持ちが分かるような気がしています。
どこからどう見てもガウディの世界感に浸れます。
それでも想像以上だったのは、ステンドグラスを通した自然の光が壁や柱に映し出す、イリュージョン(幻想)の世界。この場に足を踏み入れたとき、思わず身体が震え、この1枚の写真を撮るまでに、少し時間が掛かりました。
私はこのステンドグラスについては、ここに来るまであまり分かっていませんでした。それだけに素直にこの光景を向き合えたのかも知れません。
一旦外に出て、受難のファサード。
彫刻を一つ一つ目で追う。飽きることのない時間。
受難のファサードをエレベーターで登ります。
バルセロナの街並みが眼下に広がります。
街並みを見下ろすのも良いのですが、それより興味を持ったのは工事の様子。
見上げても工事中。
ふと振り返れば美しいモザイク。
どうすればこういう発想が生まれるのでしょう?
装飾を作っている現場も見られます。
鐘塔から見るバルセロナ市内。
地中海も見えます。
つい工事の様子が気になります。
さて階段を降ります。
登るときはエレベーターですが、降りるときは階段が原則。それは良いのですが、狭い上に暗く、閉所恐怖症の方にはお勧めできません。
教会の中心、祭壇。
ここが教会である事を改めて感じます。
色の鮮やかさと神秘さは相反するという私の思い込みはあっさりと否定されました。
私にはこのサグラダ・ファミリアを解説をする知識と力量がありませんので、今回はほぼ感想です。
ただ知識はなくとも「対象物を見て“感じる”こと」は誰にでも許されていると思います。
サグラダ・ファミリアから南西の高台にあるモンジュイックの丘。そこにあるカタルーニャ美術館からもその姿は見えます。
私が宿泊したホテル屋上からの夜景/ライトアップ。
バルセロナのシンボル、サグラダ・ファミリア。
ガイドさんによれば観光客はまだまだ戻っておらず(今年の6月時点)、また朝一番で行ったこともあってか珍しく混雑がなかったとのことでした。
今はさてどうなっているのでしょうか?