稲見駅長の鉄道だよ人生は!!

稲見眞一

名古屋の鉄道136年史(昭和戦前編17)笹島駅開業。

名古屋駅新貨物取扱所本屋。

昭和4年(1929年)5月1日開設。

まだ工事中の写真ですね。広々とした感じなのはまだ建物しかないからでしょう。

のこぎり式の特徴あるホームの様子が伺えます。

一昨日も掲載した絵はがき。

これを見て貨物の到着と発送でホームが分かれているのが見て取れます。考えるまでもなく、その方が合理的であるのですが、荷下ろし後の貨車を発送ホームに転線させる必要があることから構内の作業は、きっとパズルを解くような難しさがあったのではないでしょうか?

ところでこの5月2日に「名古屋の鉄道136年史(昭和戦前編8)鉄道展@名古屋鉄道局」をアップした際、鉄道展の会場となったのがこの名古屋駅新貨物取扱所であろうと書きましたたが、改めて今回の絵はがきを見て、昭和10年(1935年)の時点であればここで間違いないと今は確信しています。

そして昭和12年(1937年)2月1日、名古屋駅貨物取扱所は名古屋駅から独立し、笹島駅となりました。

この写真で驚きなのは馬が活躍していること。貨物の運搬手段では、昭和に入って10年も経てばそろそろトラックの時代になっていたと思っていたのですが、どうやらそうでは無かったみたいです。線路上を貨車で運ばれてきた相当量を馬で運んでいたのしょうが、名古屋市内及び近郊だけでは無く、それ以上の距離の場所まではこんだのでしょうか?興味が尽きません。

屋根だらけの1枚。左端の「新名古屋駅」はかつての名鉄「新名古屋駅」ではなく、笹島駅開業と同時に移転した、新しい名古屋駅のこと。それまであった「笹島エリア」から現在の場所に移転した際、正式名称の「名古屋駅」ではなく、それまでの「名古屋駅」と区別をするためか「新名古屋駅」の名称が、公的な資料を含め多く見られます。

新名古屋駅の開業は単なる駅の移設ではなく、高架化も同時に行われており、新名古屋駅の南側の、今もある高架線の下は倉庫として使われたようです。

高架線を行く貨物列車。機関車のナンバープレートは49600(496*0までは確定で、*は多分「0」)と読み取れ、当時の貨物列車牽引の主力であった9600形です。この写真は単に駅の倉庫開設だけではなく、当時の貨物列車の様子がよく分かります。

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