稲見駅長の鉄道だよ人生は!!

稲見眞一

レトロでんしゃ館(名古屋市 市電・地下鉄保存館)(2)3000型3003の車掌さん。

3000型3003。1系統東山公園行き。

3000型は昭和19年(1944年)登場の名古屋市電では最大級の形式の一つ。

●昭和31年(1956年)8月「電車運転系統図 協賛名古屋まつり」(萬華社 愛電交通)

名古屋市電の系統図。

(この系統図の時代)1系統は名古屋駅前から名古屋市きっての繁華街である広小路通~栄町を通り、今池、覚王山を抜けて東山公園とを結ぶ文字通りの幹線中の幹線系統。東海道新幹線ののぞみ号のような存在。

3000型はこの頃、その「1系統」を中心に運用されました。

板張りの床に緑色のモケットシート(布を素材としたシートの1種類)が私にとっては懐かしい。

3000型は2つの車体を連結した電車で、2つの車体を繋ぐ部分に台車を配置している連接車です。

3000型には車掌さんが2人、乗務していました。その定位置は前から2つ目の扉の所。

「信鈴(しんりん)には触れないように願います」と注意が書かれたボタンとその上にある何か。

信鈴は運転士さんとの連絡用の合図の音を伝えるもので、これを2回押すと「チンチン」と音が鳴り、これにより市電が広く「チンチン電車」と呼ばれるようになりました。決してワンマンカーの下車時に乗客が押すボタンではありません。

ところで上の丸いボックスから音が出るのですが、ここで説明しないと分ってもらえないかもと思ってこれを書いています。

さて3000型。私は乗ってはいるのですが、恐らく10回にも満たないと思います。それでも車掌さんが2人乗っていたのは覚えており、子供心にも「凄い電車」という驚きがあったのでしょう。

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