名古屋で2番目に開通した鉄道路線、それは関西(かんせい)鉄道。今のJR関西本線です。
以下、愛知県における関西鉄道の歴史。
●明治27年(1894年)7月5日…関西鉄道四日市駅~桑名駅間開通
●明治28年(1895年)5月24日…名古屋駅~前ヶ須(現在の弥富)駅間開通
●明治28年(1895年)11月7日…桑名駅~弥富駅開通
これにより名古屋~草津間全通。
●明治29年(1896年)7月3日…名古屋の中央駅/愛知駅開業
●明治31年(1898年)11月18日…名古屋(愛知駅)~大阪(網島駅)全通
●昭和42年(1967年)3月28日「名古屋駅八十年史」(名古屋駅)
恐らく開業前後の撮影と思われる「愛知駅」の写真。官設鉄道東海道線との名阪間の競争に備え、威風堂々、和洋折衷の当時としては極めてモダンな駅として誕生しました。そして名阪間の熾烈なお客争奪線は暫くして互いの消耗戦となりましたが、結局明治37年(1904年)まで続きました。
●昭和27年(1952年)10月10日「鉄道80年のあゆみ 1872-1952」(日本国有鉄道)
特徴ある時計塔はホーム側から見ても目立ちます。当時、名古屋駅からこの愛知駅は見えていたと思われ、官設鉄道の鉄道員の方達はどんな気持ちでこの駅を見ていたのでしょうね。
ところでこの駅はその後の関西鉄道の国有化に伴い明治42年(1909年)5月31日をもって廃止され、これにより旅客列車(+貨物列車も)は名古屋駅での発着となりました。
●明治35年(1902年)「名古屋熱田明細地図」(所蔵:NPO法人名古屋レール・アーカイブス)
名古屋駅と愛知駅の位置関係。愛知駅の場所は今のあおなみ線「ささしまライブ駅」あたり。それにしても愛知駅開業までは名古屋駅に乗り入れていたはずで、一体どんな風にホームをやりくりしていたのでしょうね。
●昭和47年(1972年)10月14日「日本国有鉄道 百年写真史」(日本国有鉄道)
関西鉄道長良川橋梁。
●昭和47年(1972年)10月14日「日本国有鉄道 百年写真史」(日本国有鉄道)
関西鉄道木曽川橋梁。
長大橋梁の建設は令和の現在であっても決して簡単なものではありません。それがまして明治時代です。当時の土木工事の技術力では、相当にハードルの高いものであったことは間違いなく、文明開化~富国強兵の熱い時代だったからこそそれを乗り越えることが出来たと言うと言い過ぎでしょうか?
●昭和42年(1967年)3月28日「名古屋駅八十年史」(名古屋駅)
関西鉄道の蒸気機関車35号機。国有化後は7850形となりました。運転台が機関車本体とテンダーに分割されたようなデザインは明治時代の輸入機では唯一の存在。当時の蒸気機関車の中では極めて優美なデザインだと私は思っています。
ところでこの機関車、加太駅~柘植駅間の加太越えではどんな勇姿を見せていたのでしょうか?加太越えに立ち向かう蒸気機関車の時代を知るものにとって、とても気になります。
(参考:2017年3月1日「細密イラストで綴る日本蒸気機関車史」(ネコ・パブリッシング)