Dr.森田の「実は…」な話

「新型コロナウイルスに隠れてひそかに忍び寄っているこんな病」

2020年5月21日放送

名古屋市のいきいき支援センター。高齢者の生活や介護の相談・支援を行っています。

実は今、心配なことがあるそうです。

「いろんなイベントや事業が軒並み自粛していて、外出することができなくなってきている。他の人と話ができないということで、若干鬱傾向になっているのかな。認知症などへの影響も出てくるのかなと」(名古屋市熱田区いきいき支援センター 長嶋寛子センター長)

新型コロナの自粛の影響で認知症への不安が広がっているというのです。

今回は、「実は…」心配した方がいいかもしれない認知症についてお伝えします。



この自粛は認知症にとって影響が大きいのでしょうか?

「“実は…”こんな話があるんです。対人接触が乏しい人は、アルツハイマー型認知症の発症率が8倍高くなると報告されています。今回のような自粛によって、人との会話が減っている現状は、認知症になりやすい。そんな状況が続いていると言っても過言ではありません」(Dr.森田)


アルツハイマー型認知症の初期症状はこんなものがあります。

・朝ごはんを食べたこと自体を忘れる
・「あの人」「これ」が増える
・買い物で小銭を出さなくなった
・身なりがだらしなくなった



症状が進むと他の症状も出てくるといいます。

症状が進めば…
・得意だった料理が作れなくなる
・電気製品の使い方がわからなくなる
など、生活に大きな支障が出て、介護が必要な状態になってしまう。



ただ認知症を予防できる方法がいくつかわかってきています。

問題:認知症予防としてより効果的なのはどちらでしょうか?

A:楽器を演奏する
B:読書をする



いずれも認知症予防に効果的ですが、より効果があると考えられているのは、“実は…”Aの「楽器の演奏をする」なんです。

「楽器を演奏する人は約69%、読書をしている人は約35%、認知症のリスクを下げるという研究があります。楽器の方が手を動かしながら脳も使うということなので、より効果的です。いずれにしても継続するということが大事です」(Dr.森田)



その他にも、Dr.森田がオススメしたい予防法があります。

予防におすすめしたいトレーニング「色読み」。

「色」と書いてある列は、文字に惑わされず書いてある文字の色を言います。
「読み方」と書いてある列は、色に惑わされず書いてある漢字を読んでください。



全部読みきるまでの目標時間も、年齢によって設定されています。

・60代…20秒以内
・50代…16秒以内
・40代…13秒以内
・30代…10秒以内

「間違ってもいいんです。考えることで脳が活性化します」(Dr.森田)



まだまだ、感染に気を遣わないといけない時期ですが…

「そんな中でも大切なのは“距離は遠くても、家族の会話は密に”という意識です。テレビ通話や電話を積極的に活用して、心の距離を近く保ってほしいと思います。」(Dr.森田)

今の状況だからこそできることを、探っていきたいですね。

以上、Dr.森田の「実は…」な話でした!