Dr.森田の「実は…」な話

胃カメラでは見つけにくい「機能性ディスペプシア」 “マスク生活”も影響か ストレス解消し対策を

2021年3月25日放送

暖かくなってきたこの時季は自律神経が乱れがち。さらに、今年はコロナ禍でストレスがたまってきています。そんないまの時期に増加しているという病気「機能性ディスペプシア」について、Dr.森田が解説します。

2013年に診断名として認められた新しい病気「機能性ディスペプシア」。どんな病気なのか、専門医に聞きました。

「ストレスが原因で胃の運動が異常になったり、胃の知覚が過敏になってしまう病気です。機能性ディスペプシアのような胃の動きが悪いような病気は、カメラをやっても異常が見つからない」(佐藤あつしクリニック 佐藤温 医師)

下の写真は、「機能性ディスペプシア」にかかっている胃の内部の写真。

胃炎などの場合、炎症が見られますが、機能性ディスペプシアの場合は写真のようにきれいで、異常がないため、胃カメラで診察しても診断がつきにくいのです。

「機能性ディスペプシア」の主な症状は、すぐにおなかがいっぱいになる感覚や、みぞおちの痛み・焼けるような感覚など。

薬局の薬など飲み続けても改善せず、症状が1週間に2~3回以上起こったり、この状態が1か月以上続くのが特徴です。

胃もたれ、腹痛などの症状がある胃炎と間違えて診断されることも多く、実は、医療機関で胃の不調を訴えた人の“半数”がこの病気だったというデータもあるんです。

「機能性ディスペプシア」の原因のひとつは「ストレス」にあると考えられています。

胃はストレスの影響を受けやすい臓器。ストレスで交感神経が異常に働き、胃酸が多くなったり胃の壁の血流が悪くなったりして、さまざまな症状が出てしまうんです。

さらに、コロナ禍での“マスク生活”も、影響を与えている可能性があると、専門家はいいます。

「マスクをつけて生活しているので、人の表情は読めない。そういったこともストレスになっていると私は思います」(佐藤あつしクリニック 佐藤温 医師)


では、ストレスを緩和できる方法とは?

ここでは、Dr.森田が毎日やっているという「木のポーズ」をご紹介します。

<注意>周りに物がないか確認し、体調にあわせて無理のない範囲で行ってください。

① まっすぐ立ち、前方の一点を見て、それに集中します
② 深呼吸をしながら、片方の足の裏を、もう片方の足のふくらはぎにくっつけます
③ 手を上にあげます

片足立ちで、深い呼吸をしながら、バランスを取って行う「木のポーズ」。集中することで頭の中が空っぽになり、深い呼吸によって交感神経の高まりが抑えられて精神が安定し、リラックス効果が得られるといいます。


胃の調子が良くないと感じたら、食べ物に注意することも必要です。

胃は、食べたものを消化する臓器。揚げ物、辛いもの、コーヒー、炭酸など、胃腸を刺激する食べ物は胃酸の過剰分泌を引き起こすので、控えたほうが良いでしょう。

温野菜やシチューなど「煮る・蒸す・ゆでる」料理がおすすめです。

自律神経を整えてストレスを解消!胃の調子に気を配りながら、この大変なときを乗り切っていきましょう。

以上、Dr.森田の「実は…」な話でした。