Dr.森田の「実は…」な話

予備軍は日本人の3人に1人、約4700万人
“ロコモティブシンドローム”とは?

2020年8月27日放送

“コロナ自粛”で予備軍が増加?運動機能の低下が招く体の異変について、Dr.森田が解説します。

まずは、あるテストをします。

椅子に座り、両腕を組んで、片足を少し上げます。この状態で、逆の足だけで反動をつけずに椅子から、ゆっくり立ち上がってください。

実はこれができないと、身体が危険な状態に陥っているかもしれないというのです。

名古屋市昭和区の名古屋第二赤十字病院、整形外科の院長・佐藤公治医師には、コロナ自粛によるある不安が…。

「ここ2~3か月でロコモの人が増えてきた印象があります。聞くと、おうちばかりにいて食べてばかりいるので、ロコモ太りで、体力は落ちる、体重は増えるで、運動機能が落ちているという人が多い印象。“ロコモティブシンドローム”って日本語で“運動器症候群”といいますが、予防しておかないと、介護が必要になってしまう」(名古屋第二赤十字病院 整形外科 佐藤公治 院長)


「ロコモティブシンドローム」とは、一体、どんなものなのでしょうか。

通称・ロコモと呼ばれ、運動機能が衰えることで、「立ったり」「歩いたり」することが困難になる状態のことをいいます。

ひどくなると、介護が必要になるリスクも。


しかも、実は…!

予備軍も含めると、日本人の3人に1人の約4700万人。さらに、50歳以上の7割がロコモの可能性があるといわれています。

さらには、新型コロナウイルスの影響もあって、こんなデータも出ています。

これは、新型コロナウイルス前に1日、8000歩以上歩いていた人を対象に歩数の変化を調査したもの。

4月末には7200歩ほどと、800歩ほど減少していることがわかります。

コロナ禍によって運動の機会が減り、ロコモになる可能性も高まっているかもしれません。


ロコモの初期症状ともいえる、4つのチェック項目があります。

・片足立ちで靴下がはけない
・家の中でよくつまずく
・15分ぐらい続けて歩けない
・階段を上がるのに手すりが必要

このうち、1つでも当てはまると、ロコモ予備軍かもしれません。


そんなロコモにならないために、実は効果的なトレーニングが。

それは「片足立ち」や「スクワット」、「フロントランジ」。

今回は、フロントランジをご紹介します。

①まずは、腰を両手で持ち、姿勢よく立ちます
②そのままの状態で右側の足をゆっくり大きく前に踏み出します
③前に出した足の太ももが水平になるぐらいに腰を深く下げていきます
④身体を上げた後に前に踏み出した足を元に戻します

ポイントは、上体は胸を張って良い姿勢を維持して行うことです。


フロントランジは、下半身の筋力と同時にバランス能力も鍛えられるため、ロコモには効果的なんです。

また、今の時期は、熱中症に注意して、水分や塩分を補給しながら行ってください。

以上、Dr.森田の「実は…」な話でした。