「コロナ自粛による不眠やだるさ “フレイル”とは?」
2020年9月24日放送

コロナによる、さまざまな自粛が影響を与える体の異変について、Dr.森田が解説します。
愛知県大府市の国立長寿医療研究センター「老年内科」では、新型コロナによる自粛で、ある患者が急増しているといいます。
「(患者が)全身倦怠感、体がすごくだるいと。不眠症にも悩まされはじめて、体重も3か月で3キロ落ちたというような訴えもあり、内臓の病気、頭の病気などを検査したけど、まったく(異常は)なかった。内臓の病気じゃないんじゃないかと、うちにきたという次第です」(国立長寿医療研究センター 老年内科 前田圭介医長)

不眠や倦怠感など、体の不調の原因は“フレイル”。
フレイルとは、日本語訳で“虚弱”という意味。身体機能や認知機能が衰えていき、健康な状態と介護が必要な状態の、ちょうど間のことをいいます。

このフレイル、ほっておくと、近いうちに、介護が必要になるリスクが高まっていくんです。
しかし、フレイルに早く気づき、対策を行えば、元の健康な状態に戻ることができる可能性も。
そこで、“フレイル予備軍”かどうか、チェックしてみましょう!
まずは、ペットボトルを持って、ふたを開けてみてください。

開けることができたら大丈夫、開けられないとフレイルの可能性があるんです!
ペットボトルのふたを開けるには、握力は約15キロ必要といわれていて、フレイルの基準の一つに、女性の握力が18キロ未満という項目があります。(国立長寿医療センター 報告書より)
握力は、全身の指標となるという研究があり、握力がある人の方が、心筋梗塞や脳卒中などの死亡リスクが低いということがわかっているんです。
続いては、握力を鍛えるトレーニング「ブックホールド」をやってみましょう。

複数の本を親指とそれ以外の4本の指で挟んで、ぐっと力を入れて持ち上げ、そのままキープ。
そして、フレイル予防に関する問題です。
Q.フレイルが重症化しないための生活習慣で、より良いのは、どちらでしょうか?

正解は、A:家族との食事
コミュニケーションを取りながら食事をすることで楽しく食べられるため、食欲も高まり、品数も増えて栄養もしっかりとることにつながるということです。
さらに、栄養をとるという意味で、おすすめなのが“牛乳”と“甘酒”。

牛乳は、丈夫な骨をつくるために重要なカルシウムを多く含んでいて、さらに筋肉のもととなる、たんぱく質も豊富なので、フレイル予防につながります。そして、甘酒は“飲む点滴”とも呼ばれていて、栄養が豊富なんです。
ふたつをミックスして飲むといいですね。
以上、Dr.森田の「実は…」な話でした。