「約300万人が発症する「めまい」 新型コロナの影響も? タイプ別の対策で早急に改善を」
2020年12月3日放送

今回は、新型コロナが影響しているかもしれない「めまい」について、Dr.森田が解説します。
まずは、“めまいの危険度”をチェックしてみましょう。

① Tの字に足を合わせ、両手を前に伸ばして肩の高さまであげます。
② 目を閉じて、太ももを高めに上げて、その場で50歩、足踏みをします。
※行う際は、すべらない平らなところで、また、まわりに危険なものがないか、確認してから行ってください

50歩足踏みした後の足の位置で、危険度がわかります。
・左右45度以内:外出OK
・左右45~90度:近場の外出はOK
・上記以外:外出はさけた方がいいレベル
「めまい」は、男性よりも女性のほうが発症する割合が多く、約300万人が発症しているといいます。(国民生活基礎調査と新井基洋先生の調べ)
ストレスが原因で起きることも多いという「めまい」ですが、大きくわけて3つのタイプがあります。

① フワフワ型:船の上にいるかのようなふわふわした感覚で、高齢者に多い
② クラクラ型:急に目の前が暗くなる
③ グルグル型:自分の周りがグルグル回転しているような感覚、吐き気を伴うこともある
3つのうち、もっとも多いのがグルグル型で、全体の6割を占めています。
グルグル型は、上の物を取る、布団や洗濯物を干すなど、「頭を動かしたとき」におこることが多いといいます。
グルグル型の「めまい」になったときに受診すべきなのは“耳鼻科”です。
なぜかというと、その原因が“耳の中”にあるからです。

頭を動かしたときに、耳の奥にある「耳石(じせき)」という細かな粒がはがれおちます。
それが三半規管に入ってしまうことによって、1回に数秒から数十秒ほどの「めまい」が生じる…という仕組みになっています。
このグルグル型は「良性発作性頭位めまい症」といって、数週間から1か月程度で自然に治ることが多いといわれています。「めまい」がおきたときに、平衡感覚が失われてよろめいたり、起き上がることができなかったり、倒れたときに大けがすることもあるので、早急に改善しておく必要があります。
そこで、専門医が考案した、“グルグル型めまい”を防ぐための体操をやってみましょう。(新井基洋著「めまいは寝てては治らない」より)

① 腕をまっすぐに突き出して、親指を立てます。
② さらに、親指をじっと見たまま、顔を左右に30度ずつ回します。
この体操で耳石の位置が変わって、“グルグル型めまい”が改善することが多いと考えられています。

ほかにも、日常生活の中で、洗濯物を取るなどの首の上下運動でおきる「めまい」には、指を見たまま首を上下に動かす体操。(図:上)
窓ガラスをふくときなどの左右の運動でおきる「めまい」には、指を見たまま首を左右に傾ける体操が予防につながるということです。(図:下)
「グルグル型」以外の「めまい」の主な原因は、
フワフワ型:精神的なストレスや自律神経の乱れなど
クラクラ型:起立性低血圧、高血圧、不整脈の疾患が隠れていること
があるといいます。
さらに、以下のような症状がある場合は、早めに、めまい専門医、脳神経外科などでみてもらいましょう。

以上、Dr.森田の「実は…」な話でした。