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御嶽山の噴火から8年 願いは“山の上で2人の結婚式を…” 息子を亡くした夫婦の思い

報道局
特集 愛知 2022/08/15 17:00

戦後最悪の火山被害となった御嶽山の噴火から9月で8年。息子と婚約者が亡くなったあの場所で結婚式をあげてあげたい。今も山に登り続ける両親の願いを取材しました。
 

8月13日の盆の入り。仏壇の前で手を合わせるのは、愛知県一宮市の所清和さんと奥さんの喜代美さんです。

「まだって言うのは少ないかなと。もう8年経ったんだって」(所清和さん)


供養をするのは、8年前に亡くなった二男の祐樹さんです。

2014年9月27日。死者58人、行方不明者5人。戦後最悪の火山災害となった御嶽山の噴火で、息子の祐樹さんと結婚を約束していた丹羽由紀さんを亡くしたのです。


7月31日、所さんは長野県木曽町の登山道から被災者家族メンバーと一緒に慰霊登山をしました。

リュックには、御嶽山に行くときは必ず持って行く“ひまわりの花”が。


ひまわり畑の前で仲睦まじく祐樹さんと写る由紀さん。

「丹羽さんのご両親が由紀ちゃんは、ひまわりみたいな子だって。明るくて。祐樹と由紀ちゃんが写っている写真の中で、ひまわり畑の前で写っとる写真が、すごく好きなんですよね、私が。二人の笑顔が」(2016年の所さん)


午前11時すぎ、御嶽山の山頂、剣ヶ峰に到着。

すると、持ってきたひまわりの花を抱きかかえ、座り込んでしまいました。


そして、取り出した1枚の写真。それは御嶽山の頂上へたどり着き、ほっとしている由紀さんの写真でした。

「なんか、ここに来ると由紀ちゃんが、ほんとにつらかったんだって。よく祐樹を頼って登って来たなって」(所さん)


御嶽山を登り切り、満足顔の二人。

しかし、この20分後に静かだった山が噴火したのです。


噴火発生時刻の午前11時52分に黙とうをささげる被災者家族。

58人の死亡者のうち33人が、この山頂付近で亡くなったのです。

祐樹さんと由紀さんも…。


二人が見つかった場所は剣ヶ峰の山頂から見下ろせば、目と鼻の先の所。しかし、そこは違う自治体の規制区域で、今も立ち入ることができないのです。

「今年こそはって気持ちが去年からすごく強くて…。なんでそんな意地悪するのって…。時だけたって、なんで8年たって、なぜ亡くなった場所に行けないんだって。それが一番悔しいです」(所さん)

8年もの年月がたとうとしても、やり切れない思いは募ります。

58人が亡くなり、今もなお5人が行方不明になっている御嶽山の噴火災害。


息子たちが亡くなった場所で、どうしても、かなえたことが、ひとつありました。

「三三九度のセットを買ってきて、私たちに見せてくれたよね。亡くなった場所で結婚式をあげさせたいっていうのが(由紀さんの)お父さんがそういう意志を見せていただいたので、それは早く実行したいなって」(所さん)

結婚式でお酒を酌み交わす儀式のセットを用意していたという由紀さんの父・丹羽邦夫さん。噴火から2年後に心臓病を患い、亡くなっていたのです。

「それだけは(由紀さんのお母さんと)3人で登って三三九度だけはやってあげたい。言い残したことだけは、やり遂げたいなって思ってます」(喜代美さん)


御嶽山の噴火災害がなければ息子の祐樹さんは34歳。由紀さんは32歳。結婚して、ひょっとしたら子どもを授かり、にぎやかなお盆休みを過ごしていたのかもしれません。

「小さい子がウロウロね、していたかなって思いますけど」(喜代美さん)
「噴火がなければ、こういうことになっていたんだろうなって…。ない物ねだりで言っても、しょうがないから、それはそれであきらめるっていうか。二人が向こう(天国)でどういう生活をしているのか、見たこともないし行ったこともないのでわからないんですけども、うまく一緒にやっててくれるかなっていうのは思いますね」(所さん)

中京テレビ 「キャッチ!」 8月15日放送より

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