創業445年の老舗和菓子店 コロナ禍で危機感 “もなかの皮”を使った「クリスマスレシピ」コンテスト開催
もうすぐクリスマス。クリスマスといえば、ケーキにイルミネーションと洋風なイメージですが、創業445年の老舗の和菓子店が「もなか」を使ったクリスマス企画を開催して話題になっています。
開催した背景には、今年ならではの、新型コロナの影響がありました。
三重県松阪市の和菓子店「柳屋奉善」。戦国時代のさなかに創業し、445年もの歴史ある和菓子店です。
創業当時から作り続けてきた「もなか」。その皮に、ようかんを乗せた「老伴(おいのとも)」が看板商品です。
コロナ禍では、伝統を守り続ける老舗にも変化があったといいます。
「跡取りとして(新型コロナの影響の)危機感を感じまして、新しい時代の新しい(もなかの)あり方を考えないといけない」(柳屋奉善 営業部長 岡一世さん)
そこで、実施したのが「おウチもなかコンテスト」です。
お店の“もなかの皮”を使用した、クリスマスにふさわしいレシピを募集するというもので、“和菓子”と“クリスマス”という垣根を越えた型破りな企画になっています。
「“クリスマス”で、和菓子店ならではのことができないかと考えまして。今回は、(もなかに)クリスマスらしい食材をのせてもらって、インスタグラムで写真を撮って、投稿してもらう」(柳屋奉善 岡さん)
伝統のもなかとクリスマスの異色のコラボ。コンテスト開催までの道のりは簡単ではなかったようで…。
「全面的にOKという訳でもなかったのですけど、ただこの状況なので、“何かしないと”と思いまして、先に動きました」(柳屋奉善 岡さん)
コンテストでは、通常の2倍の米粉を使用した皮を使います。店でもいくつか試作品を作っていました。
マッシュポテトで土台を作り、ブロッコリーを飾ってできたのが、クリスマスには欠かせないツリーです。
こちらは、クリームチーズを塗り、アボカドをのせた、オードブルのような一品。もなかのほんのり香ばしい香りと、チーズが合うとのこと。
11月から始まったコンテストですが、さっそく応募が来ているといいます。
写真を見てみると、抹茶クリームに砂糖菓子でデコレーションした可愛いらしいツリーに、カニの身を贅沢に使ったグラタンなど、趣向を凝らした作品が投稿されています。
「もなかを一般のご家庭で普段とは違った食卓というか、もなかパーティーを開きましょうというか、そんな世の中になるともなか屋さんも安泰かなと」(柳屋奉善 岡さん)
応募は、12月28日に締め切られ、優れた作品には、正月限定のもなかが贈られるということです。