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発明少年の夏休み 発明したのは“ごみ分別箱” きっかけは「腰が痛いおじいちゃんへの思いやり」

報道局
特集 愛知 岐阜 三重 2020/09/04 11:00

 発明のきっかけは、おじいちゃんへの思いやり。発明少年のひと夏の挑戦を追いました。

 

 神谷響くん、小学6年生。

 この日は、なにやら白い大きな箱を持って、どこかに出かけます。

 

 お父さんの車で走ること3時間。

 到着したのは、岐阜県高山市の「共栄製作所」。特殊機械を作る会社です。

 この日、訪れたのには、あるワケが…。

「おじいちゃんのお店の外に置こうと思うと、やわいものではいかんので、頑丈なものを作ろうと思うと、そこが頭のひねりどころだな」(共栄製作所 折敷地淳 社長)

 大人たちと一緒に響くんが見つめる白い箱。実は、ペットボトルと空き缶が分けられる“分別箱”なんです。

 

 ペットボトル、スチール缶、アルミ缶の3種類を、ひとつの投入口に入れるだけで分別してくれるという優れもの!

 缶の分別には磁石を利用。磁石にくっつかないアルミ缶は、そのまま真下へ落下。一方、スチール缶は磁石に引っ張られますが、シートがあるため、磁石にくっつかず右下へ落ちていくんです。

 ここまでは、響くんの姉・明日香さんのアイデア。

 それに、響くんが、ペットボトルの分別もできるように改良しました。

 4年生のときには特許も取得しています。

 

 そんな発明のきっかけは、「腰が痛い」という祖父の保一さんにありました。

 スーパーを経営する保一さん。店頭にある自販機のごみ分別に苦労していたといいます。

「なんとかしてあげたい」。そんな思いやりから、ごみ分別箱は生まれました。

 そして、おじいちゃんから「もっと丈夫なものを作ってほしい」と、さらなる注文が。

 しかし、響くんは「これ以上は…」と、消極的な様子。

 

 そんなとき、番組に「製品化のお手伝いはできないか」というメールが届きました。

 なんと、共栄製作所が、響くんを手助けしたいと名乗りを上げたのです。

「せっかく芽生えた芽をうまく育てて、ものづくりに就いてもらえるといいなって思いがあります」(共栄製作所 社長 折敷地淳さん)

 ものづくりのプロと共に、ごみ分別箱の製作が始まりました。

 

 口数が少なかったという響くん。ものづくりを始めるようになって、性格に少し変化がでてきたそうです。

「3年生の時とか。そういうの(特許を)とって、一定の自信が出て…」(父・豊明さん)

 今では、大人が相手でも、ものおじしません。

「鉄ってさ、大丈夫なの?磁石とか邪魔するみたいな」(響くん)
「我々も鉄で作ろうと思うと、磁石がネック」(折敷地社長)

耐久性をあげるため鉄を選びましたが、磁石に影響がでないか心配だというのです。

小学6年生が総監督を務める、ものづくりの挑戦が始まりました。

 

 3週間後、共栄製作所を訪れた響くん。大きなマスクをつけて溶接を行っていました。

 もちろん、初めての体験。自分で、ごみ分別箱の扉部分を作り上げていきます。

 ものづくりのプロが、精度を上げようと新たな部品も追加し、分別の仕組みは完成。

 ペットボトルのキャップも、分別するための部品に、しっかりとひっかかっています。

 心配だった缶の分別も磁石が働き、スチール缶とアルミ缶をしっかり仕分けています。

「OKです」と、総監督の響くんからOKサインが出ました。しかし…。

「これってさ、もうちょっと低くするっていうのはあり?もしかしたら、ここにキャップが当たって、こっちにずれちゃうみたいな」(響くん)

 問題の場所は、缶をまっすぐに転がすための部品。ペットボトルが通るとき、その部品に引っかかることを心配していました。

 無事、完成できるのでしょうか。

 

夏休みも残り3日。

おじいちゃんのための、ごみ分別箱が、ついにやってきました。

おじいちゃんが使うことを考え、ごみ箱を一度に引き出せるキャスターや、ごみの量を確認できる窓もつけました。

一番苦労したという缶をまっすぐに転がすための部品は、部品の形状とつける位置を変えたことで缶が弧を描くことなく、まっすぐに転がるようになりました。

これは、ものづくりのプロでも苦労したといいます。

 

「おー、めっちゃスムーズ」(響くん)

 

「立派なもの。はじめ見た時は、こんなやつで、ちゃちだったけど、実用化できそうな…すばらしい」(祖父・保一さん)

Q.想像していたものになった?
「それ以上にすごい」(響くん)

 人の役に立つ発明がしたい。響くんの挑戦は続きます。

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