川又さんのドラゴンズコラム「今年のキャンプは面白い!」

2009/01/23

選手たちの熱のこもった自主トレのニュースが、新聞紙面を賑わせている。早いもので、今年もキャンプインまであとわずか。いよいよ2009年の野球シーズンが到来する。

川上・ウッズ・中村紀と、主力選手が相次いで退団したドラゴンズ。オフの大型補強も無かったことから、話題の乏しいキャンプのように思われているが、そんなことは無い。僕は今年のキャンプを例年以上に楽しみにしている。

「ポジションは8つ決まっている。」これは、昨年キャンプ初日の落合監督の言葉だ。ベテランでがっちり固まった磐石のレギュラー陣。これでは若手の出る場が無く、キャンプも「シーズンへの調整」という色合いが濃くなっていた。

しかし今年は、エースが抜けた。4番が抜けた。ファーストも抜けた。空いたポジションを、果たして誰が埋めるのか? ベテラン・若手・新人含め、目の前に大きなチャンスが広がっている。本来の目的である「競争」というテーマが明確になった、2009年のドラゴンズキャンプなのだ。

僕自身、入団7年目の1985年に田尾さんが西武にトレード。外野のレギュラーポジションが一つ空いたということで、その春のキャンプは死に物狂いで頑張った。その結果、レギュラーを奪って、その年は122試合に出場。プロ19年間を生き抜いた礎が、このキャンプだった。

堂上兄弟、平田、新井など、期待されながら伸び悩んでいる若手には本当に大きなチャンスであり、正念場だ。ベテランの移籍組がこのところの戦力を支えてきたドラゴンズ。ここで一気に世代交代に成功すれば、去年の西武ライオンズのような快進撃が、きっとできる。