ミスター伝授の打法で復活・福留孝介
〜2002年 3月4日(月)〜

 3月3日千葉ロッテとのオープン戦で8回に放った福留のホームランに思わずうなった。 あのスイング、あのフォームこそ今キャンプで必死に取り組んでいたものだった。
2月7日沖縄中日キャンプをミスターこと長嶋茂雄氏が訪ねたとき、福留を見るや早速付きっきりの指導に入った。 昼の12時から夕方4時半までの計4時間半、ただ《スイングのとき左ひじを胸につけたままになるクセ》を直すことに終始した。
そう、これこそ彼の不振の原因なのだ。ひじが窮屈でゆとりがない分、インコースのボールに対応が 出来なかった。左ひじを楽にして、スイングのとき胸より10センチ前を左ひじが通るようにすればボールを体の前で捉えることが出来る。

そうすることによってバットコントロールがしやすくなり近目のボールへの対応が出来る。 ミスター程の天才なら感覚で出来てしまうものかもしれないが、福留には容易ではなかったはずだ。 そんな中、前述のホームランが生まれたので、福留の今キャンプの成果は実ったと思った。 さらにいうなれば、ひざにも余裕をもてるようになればもっと打てると断言出来る。 ジャイアンツの松井がそれら全てを持ち合わせたフォームなのだ。並みのバッターにはそんな期待はしない。 福留だからこそ、ということを分かってほしいものだ。新しいフォームで臨む今シーズン恐らく苦しむだろう。 いや、ひょっとしたら来シーズンまでかかるかもしれないけど何とかそれに打ち勝ってほしい。 ただ言えるのは、バッティングの方向性が分かっただけでも福留には充実したキャンプになったということだ。

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