バンチが不調だった原因
〜2002年 5月19日(日)〜

18日の阪神戦でバンチが約1カ月ぶりとなる4勝目をマークした。 私が記憶する限り、来日以来これだけの期間勝ち星に見放されたバンチを見たのは初めてだった。 先発ローテーションを外され、再調整の屈辱を命じられるはめになった原因は何だったのか…。その答えはひとつ《左肩の開き》

バンチが不調に陥ったのは、投球の際左肩が早く開いていたためフォームにタメがなくなり、結果右腕だけで投げてしまっていた。 これが球威をなくす原因となっていた。
さらに打者側から見ると、早く左肩が開いて投げられるとボールの出所が分かりやすくなってしまう上に、 リリースポイントが頭に近くなる。これは好調なときと比べると20〜30センチ程後方に下がるため、ボールの体感速度は20キロ程遅く感じられる。 となると、いかに早いボールを投げようが簡単に打ち返されてしまうのである。

これがバンチ不調の原因だった。 ほんの数センチ、いや、数ミリの《左肩の開き》のズレがそれを生んだのである。
しかし、甲子園でのピッチングを見た限り、《左肩の開き》は直っていた。約2週間の再調整期間でそのズレを修正したのだろう。 だが、1回のピッチングだけで復活と判断するのは難しい。次回の登板でいかなる投球を見せてくれるのか、今後日程が厳しくなる ドラゴンズにとって彼の存在は絶対なだけに注目したい。

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