ジャイアンツが強い《意外な理由》
〜2002年7月8日(月)〜

セ・リーグの前半戦が今週幕を下ろす。現時点(7月8日現在)で2位に5ゲームの差をあけているのがジャイアンツで、勢いだけを見ると独走の気配がしてならないのが現実だ。

言うまでもなくその戦力は他を圧倒しているが、ここにきての強さは本物で、投打の歯車がガッチリ噛み合っている。そんな《王道野球》が展開できるようになったのは先月23日清原の復帰によるところが大きい。しかしそれとほぼ同時に、24日正捕手の阿部がケガをして戦列を離れている。 では、本来の【超重量打線】じゃないのに何故強いのか?

そこに《ジャイアンツが強い【意外な理由】》がある。それは、阿部の代わりにマスクを被った《村田善則》の存在。打撃と肩に関しては確かに阿部の方が勝っているが、捕手にとって最も大切な《投手のリード》は10年目のベテラン・村田に軍配が上がる。投手のいいところをいかした上に打者の分析がしっかりしているので、攻め方が上手い。これには私がコーチを務めていたときよく唸らされたものだ。 元々、桑田・工藤とは相性がよかったが、今は上原・高橋・入来との呼吸も合っている。
このように、レギュラーがいなくても強いところがジャイアンツの恐さ。しかし、阿部が戻ったとき今の投手陣がそのリードに対応できるかは疑問だ。 このままジャイアンツを走らせてはプロ野球がつまらなくなる。ドラゴンズをはじめ他の5球団が全力をぶつけ、つまらないミスのない《最低限の野球》を心掛ければ、ファンも納得のシーズンが繰り広げられるだろう。

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