川上憲伸 真のエースになるために
〜2002年8月6日(火)〜

8月1日、ジャイアンツ戦でノーヒットノーランの快挙を達成した川上憲伸。
私もそのピッチングを見せてもらったが、フォームの美しさにほれぼれした。
体の軸がぶれない、肩も開かない、球持ちもしっかりしている。
理想的なフォームだった。
しかし、彼自身も承知していることだろう。大切なのは、今後の登板でいかなるピッチングを見せるかである。

実は私が中日のコーチをした98年、キャンプで当時新人だった川上のフォームを見て感嘆したことがある。その年、川上が14勝を挙げ、新人王に輝いたのは、みなさんご存知の通りだ。
ところがここ数年の川上のフォームは、投げる際に体の軸ぶれ、上体が前に突っ込んでいた。一種の力みからくるものと考えられるが、これでは良い結果は出ない。

8月1日の川上のフォームは、98年を髣髴させるものだった。せっかく取り戻したフォームをこれからは忘れないで欲しい。とにかくこのフォームで投げこみをすること。その努力が財産になる。

川上は、巨人の上原と比べると素質という面では、1枚落ちる。
しかし、投げこみという努力によって、上原にも負けないエースになれるポテンシャルを秘めている。努力により、このフォームを完全に自分のものにした時、川上は球界を代表するエースになれるだろう。

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