明徳義塾・森岡良介の魅力と課題
〜2002年8月29日(木)〜

今年の夏、甲子園を制した明徳義塾高校。
中でも目立ったのが、キャプテン・森岡の存在だ。彼のバッティングセンスはほれぼれするものだった。まずその良さは、グリップの高さに見ることができる。ストライクゾーン、どこのボールにも対応できる理想的な高さである。これによりバットの出がよく、レフトにも長打を打てる。さすが、並外れたセンスの持ち主であることが一目でわかった。ひじの畳み方も天性のものである。さらに、バットを振っても腰のラインが上下しない。ボールから目線がぶれないという意味でこれは大切なポイントだ。

しかし、彼がプロで即戦力になりうるかというと、私は必ずしも「YES」とは言えない。まずは木製バットでプロのスピードボール、変化球のキレについていけるかという問題がある。今よりもさらに前のポイントでボールを叩く習慣を身につけなければなれないだろう。

現在は「内角」、「外角」とボールを待ってスイングしており、それでも通用しているが、そんな構えはすぐにプロでは見透かされてしまうからだ。

とはいえ、彼が素晴らしい才能を持った選手であることは間違いがない。
もしプロに入団したならば、空振りをしてもよい、バットを折ってもよい、とにかくバットを振り込むことだ。正しい指導を受け、正しい努力を積めば、理想のバッティングにふさわしい筋力も付き、プロでも長く活躍できるのは間違いがない。

ドラゴンズスカウト陣が「ぜひ欲しい」というのも頷ける。
ドラフトが楽しみである。

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