松井のメジャー挑戦に思う
〜2002年11月4日(月)〜

ジャイアンツ・松井が、FA権を行使してのメジャー挑戦を表明した。かなり迷った末の決断だったようだが、 私は前から、松井は当然メジャーに行くと思っていた。
なぜならプロの競技者たるもの、自分の実力をより高いレベルで試してみたいと思うのは当たり前のことだからである。

ファンのことを常に第一に考える男だけに「これまで応援してくれた人たちに申し訳ない」という思いがあったようだが、 本塁打50本、三冠王まであと一歩に迫り、3度目のMVPを獲得した今年の成績をもってすれば、 もはや誰も「時期早尚」とは言わないだろう。長年の夢を実現できるレベルに達した人間が、正当な権利を行使して最高の舞台に挑戦するのだ。拍手をもって送り出そうではないか。

彼は努力を惜しまない選手だ。実力はすでにメジャー級決してスピードボールにも振り負けしないのだから、 プライドを持って臨めば必ず結果を残せるはずだ。 さらにメジャーの投手たちは、小細工せずストライク中心で真っ向勝負に来る。今シーズン114四球と逃げまくられた松井にとっては、打つチャ ンスが増えるわけだから逆に有利に働くはずだ。

あとは未知の環境にどう適応するかだが、精神力の強い彼のこと、慣れてしまえば心配ないだろう。 「巨人の四番」という看板を背負って3年間フルイニング出場を果たした松井に、プレッシャーという言葉は無縁だと思う。

「日本プロ野球の父」こと故・正力松太郎翁が巨人軍を創立した時「大リーグに追いつけ、追い越せ」を目標に掲げたが、 巨人軍OBとして、松井がメジャーのレベルを超える活躍を見せてくれることを願ってやまない。

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