豊作のドラフト、注目の選手は・・・
〜2002年11月18日(月)〜

  今年もアマチュア選手にとっては運命の日、年に一度のドラフト会議がやって来る。
今年の候補選手は大学生がいわゆる「松坂世代」で近年稀にみる充実ぶり、さらに高校生も将来性の高い逸材が 目白押しと、プロ野球界にとっては喜ばしい「当たり年」だが、ドラゴンズも貴重な戦力を獲得できそうだ。

まずは1巡目で指名が予想される明徳義塾高の森岡良介選手(遊撃手、右投左打)だ が、さすがに「立浪二世」と呼ばれるだけあって、素晴らしい野球センスの持ち主だと思う。特筆すべきは攻走 守三拍子揃ったバランスの良さで、まさに立浪そっくりだ。立浪は1年目から開幕一軍に名を連ねレギュラーの 座を獲得したが、森岡にも十分その可能性はある。ただ内野には井端、荒木ら強力なライバルが多いので、ここ は高望みをせずじっくりと体を鍛えて将来に備えた方がいい。彼は間違いなく今後10年以上にわたってチーム の要となる選手だし、またそのように育てなければならないと思う。練習熱心なようだし、焦らずともすぐに頭 角を現してくるはずだ。

 ドラゴンズの場合、急務なのは即戦力投手の補強だが、4巡目で指名予定の植大輔投 手(龍谷大、左投左打)は面白い存在だと思う。投球フォームを見たところ、体のバランスがいいという印象を 受けた。課題はパワーだがとりあえず実戦で中継ぎとして使いつつ、体力、球速、球威を見極め、適性があれば 左の先発として育てたい。

 ところで、指名される選手たちにとって重要なのは、実はこのオフシーズンである。 来春のキャンプインまでにプロの練習についていけるだけの体力を作っておくべきだ。逆に球団側も「君を将来 こういう選手に育てたい」というビジョンを伝え、どういうトレーニングをすべきか指示しておくことが必要だ ろう。指名を受けた時からプロ野球選手としての戦いはすでに始まっているのだ。

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