期待の新主砲・アレックスのバッティングは…
〜2003年3月14日(金)〜

  ドラゴンズ期待の四番候補、新外国人・アレックスがオープン 戦でまずまずの結果を出している。
彼の長所は、何と言っても打つ時に軸がほとんどブレないことだ。 外国人選手の場合、 変化球などで揺さぶられるとすぐにフォームを崩したりするも のだが、アレックスの 場合は常に軸が残っている。これが重要なのだ。軸がブレると 視線もブレるため、投手の手元を離れた時のボールの感覚と、実際に打つ時の感覚に ズレが生じ凡打に終わ るケースが多いが、アレックスの場合は常に視線が一定なので 、最初に見たままの感 覚でボールを打つことが出来る。オープン戦でのバッティング を見ていると、球が非 常によく見えているという印象を受けたが、多少揺さぶられて も動じないのは、日本 でやっていく上では大きなポイントだ。

    そして特筆すべきは、打球が鋭いことである。オープン戦の時 点でこれだけ鋭い当た りを見せているということは、ペナント本番でもかなり長打が 狙えそうだ。
さらに足 も忘れてはいけない。先日のオープン戦でランナーに出た際、 メジャー流スライディ ングを披露、併殺を阻止した場面があったが、他球団の内野手 たちも「塁に出すと厄 介だぞ」と警戒することだろう。こういう外国人選手は今まで になかったタイプだ。
俊足を生かした外野守備にも目を見張るものがあり、走・攻・ 守三拍子揃った日本向 きの素晴らしい選手といえよう。ミラー獲得失敗はどうやら怪 我の功名となりそうだ。

確実なバッティングの出来るアレックスが四番に座れば、山田 監督がいま試している 「一番・福留」の構想も生きてくる。前後に左打者を据えてジ グザグ打線を組むのも 容易になり、あらゆる意味でドラゴンズの打線の「核」になっ てくれるだろう。
各球 団のマークも厳しくなると思うが、今後はエース級ピッチャー との対戦が増えてくる。 真価が問われるところだが、内角攻めや変化球にどう対処する か注目したい。

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