注目の開幕エース対決・いずれに軍配?
〜2003年3月27日(木)〜

いよいよ明日、待ちに待った今年のペナントレースが幕を開ける。 注目は何と言 っても川上・上原の 《エース対決》である。私にとっては二人共、ルーキーの年に投手コー チとして指導した『教え子』であり、新人王に輝いた彼らが晴れの舞台で開幕投 手として激突することに感慨を覚えずにはいられない。

 さて、気になる二人の仕上がり具合だが、まず川上については申し分ない出来と いえる。早くから開幕投手に指名されていたこともあって、キャンプから開幕ま で逆算でうまくペースを作ってきた。先週土曜日にはファイターズとのオープン 戦に登板。今回の舞台となる東京ドームのマ ウンドも踏み、中5日で開幕戦に登板と、まさに万全の状態に仕上げてきた。 前回も書いたが、東京ドームは川上にとってノーヒットノーランを達成したゲン のいいグラウンドである。あのゲームで大いに自信をつけた川上にとっては、願 ってもない決戦の場だ。しかも相手は、宿敵・ジャイアンツ。敵が強ければ強い ほど燃える男だけに迫真のピッチングを見せ てくれることだろう。

 一方、オープン戦の出来が今ひとつだった上原だが、今週日曜日のホークス戦で は、ストレートとフォーク主体の去年と同じピッチングに戻し、しっかり三振を 奪っていた。
 川上から教わった新球・カットボールのマスターを試みたことが調子を崩した一 因であるが、それはあくまでテストと割り切り、開幕前に元のスタイルに戻して それなりのピッチングを見せたのは、まさにエースの余裕といえよう。コントロ ールなど細かい部分にまだ難はあったが、上 原のこと、開幕までにきっちり調整してくるだろう。こちらも心配はなさそうだ 。

勝敗を分けるカギは相手より先に点を取られないことだが、お互い27歳、良きラ イバルとして意識し合う二人だけに、一歩も引かない素晴らしい投げ合いを見せ てくれるだろう。名勝負を期待したい。

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