開幕から1週間 今季のドラゴンズは…
〜2003年4月4日(金)〜

開幕から1週間、ペナントレースは2カードを終え、各球団の戦力の輪郭が見えてきた。
今季は開幕前から下馬評の高かったドラゴンズだが、特に打線の充実ぶりには目を見張るものがある。

特に大きいのは、アレックス・クルーズの両外国人が期待以上の働きをしていることだ。
打つ時の軸がブレないアレックスは、変化球投手の多い日本の野球にもすぐ対応出来るだろう、と前に予想したが、開幕から6試合連続ヒットを続け、しかも得点にたびたび絡むなど十分に四番の仕事を果たしている。

彼が打線の中核に座ったことで福留も一番打者としてのびのび打つことが出来、去年は四番まで任された立浪もチャンスメイクに徹すればよくなった。
その効果は下位打線にまで及んでおり、これが去年はあまり見られなかった「集中打による大量得点」を生んでいる理由だろう。
ジャイアンツ戦でルーキー木佐貫を一発で沈めた五番・クルーズの長打力も脅威で、相手投手にとっては本当に気の抜けない打線になった。

開幕6試合で総得点は31点、つまり1試合平均で5点以上取っている計算になる。
これならジャイアンツの重量打線にも決して打ち負けることはないだろう。
開幕3連戦で 勝ち越せたのもまさに打線のお陰で、「打って勝つ」パターンが今年は多く見られそうだ。

一方、気になるのは「投壊」とも新聞に書かれた投手陣だが、確かに開幕6試合で失点は36と得点を上回っている。1試合平均6点は取られ過ぎだが、それほど心配することはないだろう。

なぜならエース川上が開幕2連勝と順調な滑り出しを見せてくれたからだ。
特にライバル上原と投げ合った開幕戦で、一時逆転こそ許したものの粘りのピッチングを見せ、結果的に白星が付いたのは大きな自信になったと思う。
エースが勝つことはチームが上昇ムードに乗るキッカケにもなる。是非このまま連勝を伸ばし、最多勝争いに絡んで行ってもらいたい。

一つ苦言を呈さねばならないのは野口である。
開幕3戦目、序盤で8対1と7点のリードを貰いながら、貧乏性というか「こんなに点を取って貰ったんだから、絶対に勝たねば」という意識が先に出て、本来のピッチングが全く出来ていなかった。
楽勝のはずの展開が自分が降板したことで最後は1点差、薄氷の勝利となり、野口自身も大いに反省していることだろう。
今回の失敗はいい薬になったのではないか。
経験豊富な彼のこと、次は立て直してくれるだろう。
ベイスターズ戦でのピッチングに期待したい。

投打とも充実の戦力が揃った今年のドラゴンズ、優勝を狙うに十分な手応えを山田監 督も感じているに違いない。
さらに投手陣には大塚が加わる。今後の戦いぶりが楽しみだ。

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