再び崩壊の危機・ドラゴンズ先発陣に光明は…?
〜2003年5月30日(金)〜

川上の離脱に次いで今度は朝倉に骨折の疑いと、先発投手陣に痛いアクシデント が続 いて いるドラゴンズだが、しかし苦しい中にも幾筋かの光明が見えてきた。

まず第一の光明は、中継ぎから先発に回った平井が何とか先発で使えるメドが立 った こと である。
初先発となった22日のベイスターズ戦では5回1/3を5安打、1失 点に 抑え 勝ち星こそ付かなかったが、しっかりゲームを作ってくれた。続く28日の巨人 戦は 5回 途中で降板したが、やはり序盤にゲームを壊すことはなかった。これなら先発と して 十分 合格点を与えていいだろう。
私は春季キャンプの時から「平井は先発に回した方がいい」と言っていたのだが 、そ の理 由は彼が一昨年ヒジの手術を受けている「故障持ち」だからである。 中継ぎでフル回転させた場合、どうしてもヒジに負担がかかるため本人も首脳陣 も調 整に 気を遣わねばならないが、例えば登板間隔を「中6日」と決めて先発で使えば、 コン ディ ション作りも非常に楽になる。別に完投する必要はないのだ。後ろには優秀な中 継ぎ 陣が 控えているのだから、6回を2〜3点で抑えてくれれば十分である。今の平井な らそ れは 難しいことではなかろう。今後も貴重な先発の柱として働いてくれるはずだ。

第二の光明は、開幕からローテーションを守っている野口・山本昌がこのところ 安定 したピッチングを見せていることだ。
特に山本昌は、何故かいつも味方の援護に恵ま れな いが 、何とか失点を最小に抑えようと低め中心の辛抱強いピッチングを続けている。 先発 投手 に必要なのはまさにこういう姿勢で、衰え云々を言う向きもあるが、まだまだ彼 は第 一線 で活躍できるピッチャーだ。今季は1勝しか挙げていないが、今のように我慢の ピッ チン グを続けていれば、白星も自然と増えていくことだろう。
野口も25日のカープ戦で8回2死まで投げ抜き3連勝。完全に好調時の状態に 戻っ た。 初回にシーツに一発を浴びるなど3点を失ったが、これは前回登板(20日・Y B戦) が 序盤で降雨ノーゲームとなったため「今日も天気が思わしくないから、早めにス トラ イク を取りに行こう」と焦ったのが原因である。いきなり点を取られても、すぐに気 持ち を切 り替えて自分本来のピッチングを取り戻したのは流石で、この調子なら最低でも 13 勝は 堅いだろう。とりあえず、この2人に関しては心配無用である。

第三の光明は、戦線離脱中の川上が順調にリハビリを進めているということだ。 球宴 前に は一軍に戻って来られそうだが、やはりエースがいるかいないかで投手陣全体の ムー ドは 随分変わってくる。これまで中継ぎ陣の踏ん張りで勝ち星を拾ってきたドラゴン ズだ が、 今後先発陣がどれだけ辛抱できるかが6月攻勢のカギになる。奮起を期待したい 。

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