好調中継ぎ陣 夏場に向けて調整法は?
〜2003年6月25日(水)〜

故障者が相次ぐドラゴンズだが、25日現在2位をキープしている 原 動力は何と言っても12球団一のスタッフを誇る中継ぎ陣である。月半ばの5 連勝 はど の試合も中継ぎの好リリーフが光ったが、この『つないで逃げ切る』展開こそド ラゴ ンズ 得意の勝ちパターンであり、ようやくチーム本来の強さが発揮されてきたといえ よう。

 中でもとりわけ目覚ましい活躍を見せているのが、4年目の山北である。現在35 試 合に 登板しているが、これは堂々のリーグトップ。チームの試合数は67だから、半 分以 上に 登板している計算になる。登板しなくてもブルペンで肩を作ったケースを含めれ ばま さに フル回転で、彼なくして現在の2位はなかったと言ってもいい。
 起用が勝ちパターンの試合にほぼ限定されている落合・岩瀬と違って、山北の場 合は 負け ている展開で起用されるケースも多く、そのためこれだけの登板数になっている のだ が、 さすがに蓄積疲労のためか、球が走らず打たれたケースもしばしば見受けられる 。

 夏場はそうでなくても暑さでピッチャーにヘバリが来る時期だ。しかも7月後半 から 8月 にかけては6連戦が続く。昔は雨天中止もある程度計算に入れていたものだが、 ドー ム時 代の今はそれも見込めなくなってきた。毎試合スタンバイする中継ぎ投手が、厳 しい これ からの時期を乗り切るにはどうしたらいいのだろうか?
 意外かも知れないが、実はこういう時こそ休まずに『走り込む』ことが重要であ る。 もち ろん基本的な走り込みはキャンプの時にやっているのだが、シーズンに入るとど うし ても ベースとなる体力が落ちてくる。そこを敢えて走り込み『下半身を鍛え直す』こ とが ピッ チャーの場合は大切なのだ。

 山北も今は体力的に厳しい状況だと思うが、肩は休 めて も、 基礎的な鍛錬は怠らないようにしてもらいたい。 さらに言えば、使う側にも配慮が必要だ。投手コーチにとっても夏場は中継ぎ投手のや りく りに 頭を悩ます時期なのだが、ドラゴンズの場合、これだけのメンバーが揃っている なら 思い 切って『中継ぎの完全ローテーション制』を考えてもいいだろう。つまり先発投 手同 様、 中継ぎ投手にも『上がり』の日を作るのだ。今日はお前とお前を使う、お前は休 みと あら かじめ投手に言い渡し、それをしっかり守っていけば調整も楽になる。中継ぎの コマ 不足 に悩む他のチームには出来ないことだけに、検討してみてもいいだろう。 そして試合展開をしっかりと見極め、無駄にブルペンで肩を消耗させないことも コー チの 重要な仕事だ。特に試合展開に振り回され、1試合に3度も4度も肩を作らせる 愚だ けは 避けねばならない。

 幸い先発陣も打線も調子が上向いてきた。タイガースの独走を阻止し、セ・リー グを 盛り 上げる意味でも、中継ぎ陣のさらなる踏ん張りに期待したい。

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