オープン戦開幕! 落合竜の初陣をチェック
〜2004年3月3日(水)〜

 キャンプも打ち上げとなり、いよいよオープン戦が始まった。初日か らいきなり紅白戦、一・二軍の区分けなし、休みが殆どないハードス ケジュールと、何かと話題を呼んだ「オレ流キャンプ」 の成果を実戦 で試す段階に入ったわけだが、落合監督の初陣となった日本ハムとの オープン戦(2/28、北谷)を沖縄まで観に行って来た。
 この日は若手主体のメンバーで、主力級は殆ど出場しなかったのだが ヒットは僅か1本、しかも出たランナーはそれだけという「準完全試 合」で完敗した。この時点で結果を問うのは止そう。しかし私は観戦 していて、怒りを禁じ得なかった。選手たち、特に若手野手のプレー に余りに覇気が欠けていたからだ。

 この日出場したメンバーは、これから一軍定着、レギュラーを目指す 選手たちである。なのに、声が出ていない、キャンプ疲れなのか体の キレもなく、ハツラツさなど微塵も感じられない・・・そんな元気の 無さだけが目に付いた。彼らはとにかく、監督・首脳陣にアピールを すべき立場なのだ。なのに「這い上がるぞ」という意志を見せないで どうするのか?明日もゲームに出られる保証などないのだから。
 過去に経験のないハードなキャンプをやってきて、いま疲労がピーク に達しているのは分かる。しかしそこで踏ん張れるかどうか、落合監 督はその点も見極めようとしているのだ。選別は既に始まっているこ とを忘れてはならない。

 そんな中、投手陣にひとつ収穫があった。即戦力として入団したルー キー・川岸だ(トヨタ自動車、ドラフト7巡目)。彼は174センチ、 70キロと小柄な体格なのだが、とにかくスタミナがある。毎試合投 げても大丈夫なタイプで、ロングリリーフも出来るだろう。
 この試合では3番手で登場、ポンポンと2アウトを取った後、制球を 乱して満塁のピンチを招いたが、最後にズバッと真ん中を突く勝負度 胸満点のピッチングで三振を奪い、窮地を脱した。
 この気の強さは大いに買える。僅差での中継ぎや、あるいは先発が早 い回で崩れたケースで2番手として使うのも面白いだろう。こういう 強気なピッチャーが追加点を与えず踏ん張っていると、たとえ負けム ードのゲームでも「ヨシ、やったるか!」と野手も意気に感じて奮起 するものだ。結果、劣勢を跳ね返し逆転ということも十分有り得る。 川岸はそんな雰囲気を持っているピッチャーだ。是非、開幕一軍メン バーに残ってもらいたい存在である。

 この試合では「落合采配」はまだ封印されたままだったが、おそらく 監督は「こちらから指示しなくても、自分の頭で考えてプレー出来る 選手がどのくらいいるのか」を見極めているのだろう。闇雲に練習し ても、それが実戦に結びつかなければ何の意味もない。実際のプレー を想定した練習がキャンプ中に出来ていたかどうか、その差がこれか らハッキリと出て来る。繰り返すが、選別はもう始まっているのだ。

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