開幕から1週間、落合竜をチェック
〜2004年4月9日(金)〜

セ・リーグが開幕して1週間、落合新監督の下、新たなスタートを切った ドラゴンズは昨日の時点で4勝2敗、横浜と並んで首位を走っている。 カープには開幕3連勝、しかも開幕6試合でサヨナラ勝ちが既に2回と、 内容もいい。この好スタートの秘密は何だろうか?

これはやはり、開幕戦の勝利が大きかったと思う。誰一人予想しなかった 『開幕投手・川崎』については『奇をてらい過ぎだ』という批判の声もあ るが、起用の是非はともかく、落合監督自身が初戦から『オレはこういう 野球をやるんだ』という姿勢をハッキリ示したのは評価すべきだ。 結果は2回持たずに5失点KOと完全に裏目に出たが、『ならばオレたち が取り返す』と野手が奮起したのは決して偶然ではない。指揮官が決然と 闘う姿勢を示したからこそである。
去年あれだけ苦しめられた黒田を何とか攻略しようと、全員がつなぐバッ ティングに徹し、5点差をハネ返した粘り強さ・・・去年までの淡泊さは 影を潜め、明らかにドラゴンズ打線は変わった。この粘りが、2度のサヨ ナラにつながったことは言うまでもない。

打線が好調な一方、落合監督が『12球団一のスタッフ』と誇る投手陣に ついては幾つか不安な点も見えてきた。まずは黒星こそ喫していないが、 2度の登板でいずれも失点、おとといのゲームではペタジーニに大詰めで 逆転3ランを浴びた守護神・岩瀬である。 左足中指を骨折しながら、驚異的な回復力で何とか開幕に間に合わせたも のの、やはりまだ痛みがあるのだろう、軸足の踏ん張りが利かないために リリースポイントも甘くなり、彼本来の球威が感じられないのだ。初戦は 何とか名前で抑えたが、ペタジーニクラスになるとさすがに厳しい。 正直、本来の岩瀬に戻るにはまだまだ時間が掛かるだろう。 他にストッパー候補が不在とはいえ、高速スライダーが鳴りを潜めている 現状では、思い切って登録抹消し治療に専念させてもいいのではないか。 彼は優勝には絶対欠かせない戦力なのだから。

そしてもう一人、こちらには苦言を呈したいのが、野口である。 開幕2戦目に登板、勝つには勝ったが、勝利投手の権利を得た6回以降の ピッチングが頂けない。『早く勝ちたい』という気持ちから、安易にスト ライクを取りに行った結果、ボールがすべて真ん中高目に集まり、カープ 打線に連打を浴びてしまった。 敢えて言わせて貰えば、6回以降は『意志のないボール』ばかりが目立ち とてもエースの投げる球とは言えなかった。野口は川上同様、完投を期待 されているピッチャーなのだ。大量リードの試合で、リリーフ陣の助けを 借りるようではエース失格である。恐らく、きょうのタイガース戦に先発 すると思われるが、今回は『さすが野口!』と唸らせるピッチングを披露 してもらいたい。

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