ドラゴンズ投手陣・崩壊の危機…処方箋は?
〜2004年5月14日(金)〜

 開幕前は12球団一の投手王国と言われていたドラゴンズだが、昨日現在で チーム防御率はセ・リーグ最下位の5.38。自慢の投手陣が崩壊の危機に 瀕している。特に中継ぎ・抑えの不安は深刻で、12日のスワローズ戦でも 9対4と5点差で迎えた最終回に岩瀬が2点を奪われ、本来なら出す必要の ない落合まで投入して、やっと連敗を止める有様だった。  岩瀬の起用法については前回のコラムでも触れたが、私が気になったのは、 5月4日のスワローズ戦での『調整登板』である。
 4月28日に投げて以来 登板間隔が空いていたため、8回裏、2対3と1点リードされた場面で登場 したのだが、ピッチャーの石井にダメ押しの一発を浴び、結果的にダメージ だけが残る起用になってしまった。  確かに中継ぎ・抑え投手は、巡り合わせで間が空いたりすることもあるもの だが、だからといって実戦感覚が鈍るということは決してない。極端な話、 ゲームに出場しなくても、練習次第でカンは養えるのだ。

 今のピッチャーはほとんどやらないが、私は現役時代、登板間隔が空いたら よく試合前のフリーバッティングに打撃投手として登板したものだ。ブルペ ンでただ投げ込むのと違って、フリー打撃では実際の打者を相手に投げるこ とが出来る。カンを鈍らせないためにはこれが重要なのだ。
 さらにブルペンでも、相手チームの中で最も調子のいいバッターを想定し、 実際にカウントを取りながら、真剣勝負のつもりで投げていた。要は、常に 実戦を頭に描きながら練習をしていれば調整登板などする必要がないのだ。 ドラゴンズのリリーフ陣には、ブルペンにいる時から『実戦意識』を持って もらいたいと思う。

 そして今シーズンは、平井や野口など、序盤早々にKOされた先発投手が数 日後に中継ぎで投げるケースもしばしば見受けられる。早く自信を取り戻さ せたい、という配慮は分かるが、周囲から見ると懲罰的な意味合いにも受け 取れるし、リリーフに失敗した時には逆効果になる。ようやく連敗が止まっ たのを機に、中継ぎ・抑えの起用法を再考すべきではないだろうか。

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