後半戦のカギ握るリリーフ陣
〜2004年7月27日(火)〜

 後半戦に入って、甲子園でのタイガース戦(1勝2敗)こそ負け越したものの、地元ナゴヤドームに戻って、ジャイアンツ戦(2勝1敗)カープ戦(2勝1敗)と2カード連続で勝ち越したドラゴンズ。後を追うライバル・ジャイアンツとタイガースの調子が今一つ上がって来ないだけに、このまま逃げ切りそうな雰囲気も漂い始めてきた。しかしまだ油断は禁物だ。8月にはアテネ五輪のため福留・岩瀬と、投打の主力が抜ける。ライバル2球団も、このまま黙ってはいないだろう。ドラゴンズが5年ぶりの優勝を飾るためのポイントは何か?

 カギを握るのはやはり『リリーフ投手』だろう。現在は、岩瀬・落合・岡本・バルデスの4人がスタンバイし、ゲーム後半の失点を最小限に食い止めている。この層の厚さは、12球団一と言っても差し支えなかろう。
8月は6連戦が続き、先発陣には負担が掛かる時期だ。だがドラゴンズの場合はリリーフ陣がしっかりしているので、先発投手は積極的に自分のピッチングに徹することが出来る。『今日は7回まで、何点以内に抑えれば勝てるな』といった計算も立ち、安心して次の投手にバトンタッチ出来るからだ。この心理的余裕は大きい。

 ただし上記の4人のうち、左投手は岩瀬だけだ。しかも8月からはその岩瀬が抜ける。山北、久本、高橋聡らの奮起を期待したいところだが、もう1人面白い左腕が出て来た。そう、先日のジャイアンツ戦で、2戦目に先発に抜擢された2年目の長峰である。192センチの長身から投げ下ろす、横に大きく曲がる独特のスライダーが、バッターにしてみると非常に打ちづらい。17日のタイガース戦で、0対8と大量リードされた場面で登板。金本・桧山・アリアスを三者三振に斬ってとったシーンは圧巻だった。

 それから中2日で先発した20日のジャイアンツ戦では、5回5失点で途中KOされてしまったものの、思い切りのいいピッチングで5三振を奪ったのは注目である。先発、中継ぎの両面で使えるようになれば、ラストスパートを狙うチームにとっても大きな存在になるはずだ。ただ、今のままではすぐに研究されてしまうだろう。クセのあるスライダー以外に、反対方向に逃げるシュート、さらにフォークを身に付ければ、かなり活躍が見込めそうだ。次回登板を注目したい。

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