見えてきたペナント、首位決戦のカギは?
〜2004年8月11日(水)〜

 いよいよ始まった注目の首位決戦、初戦にエース川上がジャイアンツ打線を完封するという最高の形で、初戦をものにしたドラゴンズだが、ジャイアンツが受けたダメージは想像以上に大きい。この3連戦、残り試合を考えるとジャイアンツは最低限でも勝ち越す必要がある。ところが初戦に敗れたことで、残り2 試合に連勝が必要になった。一方ドラゴンズは、今日・明日のどちらかに勝てば勝ち越せる。この心理的余裕は大きい。今日の結果次第では3タテもあり得る 情勢になってきた。このまま勝ち進めば、今週早くもマジック点灯という可能性も出て来たが、こういう昇り調子の時に最大の敵は「油断」である。「勝って 兜の緒を締めよ」、このままスンナリ優勝へ突き進むのか、それとももう一波乱起こるのか、今日のゲームは優勝の行方を占う上で、非常に大きな一戦である。
 注目の第2戦、ジャイアンツは恐らく、200勝に王手をかけた工藤を先発に持って来る。こういう大記録目前の選手が相手チームにいると、戦う側として は非常にやりにくい。心情的にその選手を応援するムードが出来上がり、試合の流れも自然と相手側に行ってしまうことがあるからだ。6月の東京ドーム3連 戦で、2000本安打を目前にした清原に勝負所で打たれ3タテされたのは記憶に新しいが、ここで工藤に易々と200勝を許せば、ジャイアンツを再び上昇 気流に乗せてしまう危険性もある。では今日のゲーム、工藤攻略のために、ドラゴンズ打線はどこに留意すればいいのか?
 工藤を叩くには、まず立ち上がりである。彼は投げながら試合のペースを掴み波に乗っていくタイプなので、淡泊に攻撃を終えないこと。序盤から執拗に攻 めて行くことが肝心だ。特に工藤はバントや走塁で揺さぶられるのを嫌う。足を絡めた機動力野球は、ドラゴンズの最も得意とするところだ。そういう意味で初回、荒木・井端の1・2番コンビが担う役割は大きい。彼らが出塁して足で揺さぶり、クリーンアップに繋げ、先制点を奪う・・・ドラゴンズとしては何と かこのパターンに持ち込みたいところだ。逆に5回までスイスイ投げさせてしまうと、老獪な工藤の術中にはまり点を取るのが難しくなる。勝負所は序盤、で ある。
 一方、ドラゴンズの今日の先発は山本昌と思われる。こちらもプロ21年目の大ベテラン、まさに今日の工藤の相手にふさわしい。昨日川上が完封したとは いえ、ジャイアンツ打線を抑えるのはやはり一筋縄ではいかない。先週5戦連続ホームランと大爆発したペタジーニは、昨日も2安打。引き続き要注意だが、甘い球を見逃さずボール球を振らないペタジーニに対しては、ストライクゾーンぎりぎりのボールの出し入れで勝負する細心のピッチングが必要である。コン トロールには定評のある山本昌が、どんな投球術を見せてくれるのかに注目したい。

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