いよいよV目前! いかに戦うか?
〜2004年9月29日(水)〜

ドラゴンズの優勝マジックが遂に『1』となった。今日勝てば5年ぶりのリーグ制覇が決まるが、栄冠を目前にしたこのゲーム、何も特別なことをする必要はない。攻めては確実に1点を奪い、守っては先発投手がゲームを作って中継ぎ陣が抑える、という今まで通りの野球をやればいいのだ。思えば今季のドラゴンズの野球は『先の塁を1つ1つ確実に取っていく』という、まさに『ベースボール』の基本に忠実に沿ったものだった。私が懸念していたのは、スト解除後に、ラストスパートと称して今までのパターンを崩し、総力戦態勢で試合に臨むことだった。しかし、さすがは自分のスタイルを変えない『オレ流』落合監督だ。一切、これまでの戦い方を変えることはなかった。私の心配は杞憂で、今日も勝って、このまますんなりとゴールインすることだろう。

だが先週、中継ぎの柱・落合英二を突然先発させたのはどうなのか?という向きもあろう。だが、あれは別に奇をてらったわけではない。元々落合監督は英二が故障から復帰したら先発に戻す構想を持っており、本人にもその旨を伝えていたという。平井が抑えに回った関係で、先発陣の層が薄くなったからだが、優勝目前でプレッシャーの掛かるこの時期に、平然と自分の構想を押し通すのは、なかなか出来ることではない。考えてみればこの転向案には一理あって、例えば故障上がりの投手を慣らすため5イニ
ング投げさせようと思ったら、1試合1イニングしか投げない中継ぎだと5試合投げさせねばならない。ところが、先発ならば1試合で5イニング投げられる計算だ。落合監督はそれを実行したのではないか。

あるいは、もっと先を見据えているのかもしれない。日本シリーズでは、先発投手は4人必要だ。短期決戦ゆえ、簡単に失点を許さない実力が必要だが、しかし現在、信頼出来る柱は川上・山本昌・ドミンゴの3人しかいない。ペナント終盤で頭角を現した山井はまだ不安定、野口・朝倉もまたしかりだ。経験豊富な落合を、シリーズ用に前に持って来る可能性は大いにある。
落合監督が最初に掲げた目標は、あくまで日本一だ。リーグ優勝はあくまで通過点、本当の戦いはこれからなのである。ゆえに、今日のゲームではドラゴンズ野球の集大成を見せるつもりで、一発で決めてもらいたい。

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