オフシーズンこそ鍛錬の時 期待したい2人の若竜
〜2004年12月21日(火)〜

プロ野球はオフシーズン真っ只中だが、ドラゴンズの選手たちはこの寒い時期にもかかわらず、若手を中心にナゴヤ球場で自主トレーニングを行っている。休むべき時に休まないと、疲労が翌年に持ち越され故障の原因になるのではないか?という向きもあろうが、ベテラン選手ならともかく、伸び盛りの若手選手たちに休息は必要ない。常時試合に出ているレギュラー選手たちは、試合に出ることで身体を鍛えているのでシーズンを通して実力が発揮できるが、一軍と二軍を行ったり来たりしている半レギュラーの若手選手は、一時的には活躍できてもシーズン途中でバテてしまうケースが多い。これはキャンプで鍛えた体力・筋力の貯金が夏頃に底を突いてしまうからで、それでは本当の意味での『プロ』とは言えないだろう。そういう発展途上の選手はオフにのうのうと休むのではなく、みんなが休んでいる時にこ
そ、新たに体力増強・筋力強化に励まねばいけないのだ。実力優先の世界、サボって後で泣きを見るのは自分なのだから。

私も土曜にナゴヤ球場を覗きに行く予定で、その模様はスポスタの中でも取り上げるが、私が特に来年期待したいのは、野手では前田章宏捕手、ピッチャーでは朝倉健太投手である。前田は飲み込みが早く、カンも働き、キャッチャーとして非常にいいセンスを持っている。バッティングも年々向上しているし、おまけに研究熱心な性格は大いに買える。来季はポスト谷繁の座をもっと貪欲に狙って行くべきだし、必ずや一軍でマスクをかぶる回数も増えることだろう。

朝倉は、11勝を挙げた一昨年以来、故障などで低迷が続いているが、川上に続く世代として、ローテーションの柱にならなければならないピッチャーである。今シーズン、落合監督が『あんな気のないピッチングでは、敗戦処理でしか使えない』と厳しいコメントをしたこともあったが、それは期待の裏返しでもある。来年も期待を裏切るようだと、それこそ敗戦処理ですら使ってもらえなくなるだろう。『もう後がないんだ』ぐらいの気持ちで頑張ってもらいたいと思う。

聞くところによると、前田も朝倉も、年明けに川上が中心となって行うグアム自主トレに同行するという。前田にとっては、エースの生きた球を直接受けるいい機会だし、朝倉にとっても川上のピッチングを間近で見れば得るものは多いだろう。連覇を目指すチームに貢献できるよう、2人のさらなる成長を期待したい。

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