〜連覇のカギは“復活” キーマンは朝倉・野口〜
〜2005年1月20日(木)〜

1月ももう半ば、キャンプ直前ということで、選手たちは各々目標を持って自主トレに励んでいるが、先日、今シーズンに復活を懸けるピッチャー2人と直接話す機会があった。朝倉と野口である。

朝倉は、昨年の秋季キャンプから森投手コーチと二人三脚でフォームの修正に取り組んで来たが、試行錯誤の末、ようやく自分なりのタイミングとリズムを掴んだようだ。年明け早々に、ナゴヤ球場での自主トレを覗いた時も、昨年までの不安気な表情は消え、自信溢れるいい顔をしていた。当日は捕手を座らせ軽いピッチング練習をしていたが、フォームを見ると、これまでのすり足や二段モーションから離れ、手足のバランスが取れた無理のない形に変わっていた。これなら体全体で投げることができ、球威もより増すことだろう。彼が2ケタ勝利を挙げたのも既に3年前、今年こそ本来の実力を示してもらいたいと思う。

一方、番組にもゲストで来てくれた野口だが、彼もここ3年間2ケタ勝利から遠ざかっている。かつて19勝を挙げ、セのMVPにも輝いたピッチャーとしては非常に不本意な成績と言わざるを得ない。
特に昨年は、故障もなく球威もそこそこなのに、8連打や1イニング3ホーマーを浴びるなど不可解な崩れ方が多かったが、これは自分本来の間合いでなく、打者の打ちやすいタイミングで投げていたからである。いくらいい球を投げても、これではバッティングピッチャーをやっているのと同じで抑えられるはずがない。野口本人もその事はよく分かっているようで、こちらも昨年秋から、足腰の鍛錬やフォームの修正に必死で取り組んでいたようだ。
一時はトレード話が取り沙汰されたこともあったが、本来は川上と並ぶドラゴンズの左のエースなのである。昨年失った首脳陣の信頼は、マウンドで取り戻すしかない。昨年はわずか4勝に終わったが、野口が仮に今季14勝を挙げれば、単純にチームの勝ち星が10増える計算になる。

朝倉も同様で、昨年働かなかったこの2人が本来の実力を発揮してくれれば、ドラゴンズの連覇は堅いだろう。話を聞いてみたら、どちらも今季に懸ける決意がヒシヒシと伝わって来た。両者の捲土重来に期待したい。

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