開幕一軍なるか?ルーキー投手をチェック
〜2005年3月17日(木)〜

ドラゴンズの新人6投手が、オープン戦で素晴らしいピッチングを見せている。6人全員が実戦登板しているだけでも大したものだが、9日に中田が失点するまで、実に16イニングにわたってルーキーたちは無失点記録を続けた。オープン戦とはいえ、これは快挙と言っていいだろう。

特に私が面白いと思ったのは、ドラフト2巡目の中田である。彼のフォームは真っ直ぐもフォークも、ボールを離す時の腕の位置が同じなので、バッターは見極めが非常に難しい。第4の先発候補として開幕ローテーション入りの声も出ているが、9日のオリックス戦では4回を1失点に抑える堂々のピッチングを披露。ストレートにも力があり、その可能性は十分にあるだろう。ただし課題もある。カーブとスライダーの曲がりが甘いのだ。キャンプの時に本人にも直接伝えたが、真っ直ぐを生かすためには、変化球のキレを磨くことも必要である。今中のような緩いカーブをマスターすれば、先発として十分通用するはずだ。

また、5巡目の鈴木も使えるピッチャーだ。サイドハンドから繰り出す140キロ台後半のストレートは非常に打ちづらい。特に左打者の内角を鋭くえぐるボールには目を見張るものがあった。ヤクルト、阪神、横浜などは特にそうだが、サイドスローを苦手とするチームは多いので、貴重な戦力になるだろう。全体的なバランスの良さで言えば、6巡目の石井も目を引いた。投げるテンポもいいし、ロングリリーフから始めて、ゆくゆくは先発も任せてみたい存在だ。

今後、彼ら即戦力ルーキーが一軍で生き残っていくための条件は、基本的なことだが、やはり筋力と体力の強化に尽きる。今は懸命に投げている段階なのでまだ感じていないと思うが、4月後半から5月にかけて、どっと疲れが押し寄せる時が必ず来る。プロとして1シーズンを乗り切るための体が、まだ完全に出来上がっていないからだが、そこで敢えて体を鍛え走り込むことが、将来への道につながるのだ。川上も上原も、その辛い時期を乗り越えてエースに成長した。ルーキー6人には、シーズン中も緩まぬよう頑張ってもらいたい。

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