大丈夫か、中継ぎ陣? カギは岡本・平井
〜2005年4月20日(水)〜

鈴木・金剛・石井らルーキー勢の活躍で、さらに層が厚くなったドラゴンズの中継ぎ陣だが、特に石井は2試合連続で勝利投手となり、首位キープに貢献し た。新戦力が着実に伸びているのは頼もしい限りだが、しかし不安もある。一番心配なのは、去年セットアッパーとして獅子奮迅の活躍をした岡本・平井の調子が今一つということだ。

特に先週行われたタイガースとの首位決戦は、それが顕著だった。平井は初戦の9回途中、6−2と4点リードの場面で登板したが、矢野にまさかの3ランを浴び1点差に。直後、代打・町田にツーベース、さらに暴投で三進を許し、一打同点の場面を作ったのは頂けない。幸い後続を断ち逃げ切ったが、一歩間違えればルーキー・中田のプロ初勝利とチームの勢いを同時に消すところだった。翌日の第2戦、岡本が9回、1−1と同点の場面で登板。いきなり先頭の関本を歩かせ、シーツ・金本を連続三振に仕留めたものの、今岡にヒット、代打・町田を歩かせ、二死満塁のピンチを作った。鳥谷三振でピンチを脱したが、安心して見ていられた去年と違って、今年はどこか不安が残るのは否めない。2人の“らしくないピッチング”は、どこに原因があるのだろうか?

平井は持ち前の制球力が乱れており、岡本は気迫で押し込んでいく彼本来のピッチングが見られない。そして2人に共通して言えるのは「ピッチングが単調に なっている」ということだ。リリーフ投手の鉄則に「打たれたピッチャーと同じタイミングで投げるな」というのがある。敵に連打が出た時、代わってマウンドに上がった投手が同じようなタイミングで投げたら火に油を注ぐだけである。火消し役たるもの、間を空けるなりして打者の呼吸を外すことも重要なのだ。私が現役時代、リリーフ登板した時は、じっとボールを持ってなかなか投げなかったり、わざと牽制をしてバッターをよく焦らしたものだ。相手には非常に嫌がられたが、敵の嫌がることをするのが勝負事、何も臆することはない。非常に基本的なことだが、不調の時はその辺りを見直すことから意外と活路が開けたりするものだ。実力者の2人がセットアッパーとしてしっかり機能してくれないと、岩瀬に掛かるプレッシャーも大きくなる。「つないで逃げ切る」ドラゴンズお得意の勝ちパターンに、2人の存在は欠かせない。今後はファンを安心させるピッチングを披露してもらいたい。

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