早くも独走態勢、快進撃支えた下位打線
〜2005年5月6日(金)〜

4月を首位で通過、5月も4連勝のスタートで貯金を11に伸ばし、早くも独走態勢でセ・パ交流戦を迎えたドラゴンズだが、春先、主軸ウッズ・福留の不振という誤算がありながら開幕ダッシュに成功したのは、やはり強力な下位打線の働きに尽きる。

まずは6番・アレックスだが、鮮烈な開幕戦サヨナラ満塁ホームランを皮切りに、月間猛打賞8回のプロ野球記録を作るなど大活躍。
クリーンアップとの対戦が終わっても、打率3割6分のバッターが出て来るのだから、相手投手にとってはたまらない。彼は元々配球を読んで打つタイプのバッターだが、来日3年目で完全に日本の野球に慣れ、日本のピッチャーの攻め口なども理解、狙い球を絞れるようになったことがひと皮剥けた理由だろう。打席での集中力も大したもので、この好調は一時的なものではなく、最後まで首位打者レースに絡んでいくに違いない。

そして4月後半から、立浪と入れ替わる形でサードのポジションを獲得、7番に定着した森野の働きも見逃せない。不慣れな外野から本職の内野に戻ったことが、バッティングにもいい影響をもたらしている。私がジャイアンツのコーチ時代のこと、当時森野はまだ控え選手に過ぎなかったが『森野は左打者なのに、左ピッチャーにも強いから注意しろ』とミーティングで言った覚えがある。それだけ勝負強いバッターなのだ。今年はここぞという場面で結果を出しているが、本人にとっても自信になっているだろう。

ウッズが暴力事件で10試合の出場停止処分を食らい、主砲不在になったのは痛いが、骨折した左手小指を完治させ、頭を冷やすいい機会になるだろう。幸い福留も復調気配で、しかも交流戦では、パ本拠地のゲームでDH(指名打者)が使える。アレックス・森野・谷繁の強力下位トリオに高橋光信あたりが加わったら、まさに上から下まで切れ目がない恐ろしい打線となるだろう。交流戦は6連戦が続き日程も過酷になるが、投手陣を助けるのが打線の仕事、5月も引き続き奮起を期待したい。

バックナンバー