交流戦後半突入 低迷脱却のカギは?
〜2005年6月2日(木)〜

先週のソフトバンク3連戦で、交流戦7カード目にして初めて勝ち越しを決めたドラゴンズだが、続くライオンズ戦では、初戦松坂相手に勝ちながら昨日の第2戦は完封負けと、まだまだ苦戦が続いている。交流戦成績は昨日(1日)の時点で、7勝16敗と9つの負け越し。交流戦で貯金を稼いだヤクルト・阪神に抜かれ、3位に転落してしまった。

パの球団にいいようにやられてしまった原因だが、打者について言うと、パの投手の厳しいインコース攻めに翻弄され、本来のバッティングを見失っているように思われる。パの場合、普段はDH制があるため投手は打席に立たない。そのため、特に左投手は遠慮無くインコースを突いてくる傾向がある。打席に立っても報復されることはないのだが、自分も打席に立つセの投手は、インコースを攻められた時の怖さを肌で知っているから、多少の“遠慮”がある。しかしピッチングに専念できるパの投手は、えげつない内角攻めもお構いなしで、どんどんインコースを突いてくる。それで腰が引けて、甘いボールでもステップが開いてしまい、手先だけのスイングになってしまうのだ。これでは点が取れないのも当然である。
対策だが、バッターは内角球を恐れず踏み込んで行くしかない。特に大事なのは初球で、ファーストストライクなら思い切って振っていくことだ。初めに思い切ったスイングをされると、バッテリーに『当たると持って行かれる』という意識が働き、思い切った攻めが出来なくなるものだ。そうすれば打者が心理面で優位に立てる。

その裏返しだが、ドラゴンズ投手陣が交流戦で打ち込まれているのは、パのバッターに思いきり初球から振って来られ、どう攻めたらいいか戸惑っているのも原因だ。パの強打者・特に城島などガンガン振ってくるバッターは投手心理としては恐いものだが、対策としては、変化球をしっかりコーナーに散りばめるのが有効である。力のバッティングに力で対抗するのは逆効果で、中盤、ボールが高目に浮き打たれるケースが多い。ここは原点に返って低目中心のピッチングを心掛けることだ。そしてフォアボールを恐れず、見逃されたらボールになるかもしれないギリギリの球で勝負、これがパの打者を相手にする時の基本である。

交流戦も後半戦に突入したが、負けグセを引きずったままセ球団との対戦に戻ると、それこそ優勝争いから脱落することにもなりかねない。落合監督が戦前に『交流戦は五分でいい』と言ったのは指揮官の戦略上の話だからそれでいいが、実際戦う選手が同じ気持ちではダメだ。どうせパ相手だから勝ち越せるだろうと、気を抜いて交流戦に臨んではいなかったか?いくら去年のセ・リーグ覇者でも、そんな緩んだ気持ちでは勝てるわけがない。ムードを変える意味でも、ここは初心に返り『去年の優勝はマグレだったんだ』ぐらいの気持ちで、パ相手に全力でぶつかっていくべきだ。投打に積極性を持ってゲームを運んで行けば、必ずや交流戦前の『強いドラゴンズ』に戻れるはずである。

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