破竹の8連勝! 8月攻勢・逆転Vのキーマンは?
〜2005年7月29日(金)〜

 ドラゴンズの勢いが止まらない。12日のジャイアンツとの札幌シリーズから2週間以上負けなし、その間、最大8ゲームあった首位タイガースとの差は、昨日現在、4.5ゲームにまで縮まった。依然好調なタイガースだが、2位のチームが負けずにジワジワと迫って来るのには、相当なプレッシャーを感じているはずだ。

 96年、私はジャイアンツの投手コーチだったが、7月に首位カープに11.5ゲーム差をつけられたにも拘わらず、逆転優勝を飾ったことがある。「メークミラクル」という長嶋監督(当時)の造語が有名になった大逆転劇だが、あの時は「敵がいくら独走していようが、ジャイアンツ本来の野球をやっていくだけだ」という気持ちで戦っていた。そのうちにカープの負けが込みだし、いつの間にか追い付いていたのである。「何が何でも追い付くぞ」とローテーションを崩すなど無理をすると、逆に裏目に出るケースが多い。(今のジャイアンツがいい例だが)
 その点ドラゴンズは札幌シリーズ以降、持ち前の「つなぐ野球」を完全に思い出した。荒木が塁に出て、井端が進め、クリーンアップが返すというパターンが復活したことが得点力アップにつながり、復調著しい先発投手陣との歯車が噛み合って「容易に負けない態勢」が出来ている。山形の2試合も、ベイスターズにあれだけ粘られながら結局負けなかったことは、選手にとっても自信になっただろうし、落合監督も逆転優勝への手応えを感じたことだろう。

 さて、落合監督の言うように「勝負は8月」である。今年は猛暑が予想される中、いきなり3週続けて6連戦が待っているが、ズバリ逆転Vのキーマンは「第6の先発投手」だろう。現在ドラゴンズの先発陣は5人(川上・山本昌・野口・朝倉・マルティネス)だが、6連戦を5人で回すと1人が中4日、他が中5日になってしまう。だが6人いれば、きっちり中6日のローテーションで回すことが可能だ。たとえそのピッチャーで落としても、川上や山本昌らに万全のコンディションで投げさせることが出来るのが重要である。
 候補はたくさんいるが、中でも私はドミンゴに期待したい。何より去年2ケタ勝利を挙げた先発の柱だし、完投能力もある。今季は期待されながら、開幕から2度にわたり戦線離脱、本人も忸怩たる思いがあるだろう。幸い故障も癒えつつあるようで、復活すれば必ずやいい働きをしてくれるに違いない。その他、山井あたりが戻って来れば鬼に金棒だ。ファーム調整組の奮起を期待したい。

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