首位決戦を終えて 逆転Vの条件は?
〜2005年8月12日(金)〜

 後半戦初対決、天王山として注目された竜虎首位決戦は、1勝2敗でドラゴンズの負け越しに終わった。初戦、6点差をひっくり返す大逆転勝利で差を0・5ゲームに詰めた時点では「これで3連勝は間違いない」と思った向きも多いと思うが、流石は首位を行くチーム。2戦・3戦とタイガースが踏ん張り、首位奪回はならなかった。この結果、木曜日現在の順位は:

1 阪神 105試合 60勝41敗4分 
2 中日 101試合 57勝43敗1分  2.5差

 先月の今頃は8ゲーム差あったことを思えば驚異的な追い上げで、ドラゴンズの方が4試合多く残していることを考えると、両チームは実質的にほぼ並んだと見ていいだろう。共に100試合を越え、残り試合も少なくなってきたが、ドラゴンズが逆転優勝するための条件は「とにかく8月中に、一度首位に立つこと」である。タイガースは交流戦中(5月)首位に立って以来、3ヵ月近くその座を明け渡していない。差を詰められたとはいえ、まだ“本当の焦り”は感じていないのではないか。
 だが、もしドラゴンズが首位に立てば、一転彼らは追う立場になる。これまで独走していただけに「こんなはずでは」と焦りが生じ、これまで勝ってきた“タイガース本来の野球”が出来なくなる。そうなったらしめたものだ。後はドラゴンズが“本来の野球”をやって、どんどん引き離しにかかればいい。「追う立場より、追われる立場の方が苦しい」とよく言うが、本当は逆で、上にいる方が数字的な余裕がある分、楽な気持ちで戦えるのだ。

 今回、本来なら中6日で回したいエース川上を、敢えて中5日で首位決戦に持ってきたが、これはそろそろムチを入れて行くぞ、という落合監督の決意の表れだろう。普段なら、無理な投手起用には反対する私だが、今回の起用は大いに賛成である。昨日も敗れはしたが、エースを立てたことで「今日は勝ちに行くぞ」という指揮官の意志は選手たちに伝わったはずだ。
 これから6連戦が続くが、前回書いた“第6の先発”をローテに入れて臨めば、川上は毎週木曜日に中6日で登板することが出来る。そうすれば、9月1日の甲子園決戦・第3戦に登板可能だ。ここ2試合本来のピッチングを見せていないが、敵地だとより燃える彼のこと、今度はエースらしく今回の借りを返してもらいたいと思う。

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