逆転Vに残り24試合…カギは「看板」
〜2005年9月8日(木)〜

ペナントの行方を占う大一番・ナゴヤドーム首位決戦は、初戦、ドラゴンズがルーキー・中田の好投で快勝。勢いに乗った2戦目は終盤追い付きながら延長戦で競り負け。3ゲーム差を詰められずに終わった。逆転優勝のためには石に齧り付いてでも2連勝したいところだったが、あと一歩のところで連勝を逃してしまった。
もちろん、ドラゴンズの選手たちは一所懸命やっている。だが、ペナントレース終盤のこの時期はとにかく「勝って結果を出す」ことが全てなのだ。9回裏、一打サヨナラの場面で、渡辺・ウッズが連続三振したドラゴンズと、土壇場で伏兵・中村豊の一発が出たタイガース。最後の最後で「勝利への執念」の差が出たといえよう。

昨日の敗戦は非常に痛かったが、しかし残りは24試合ある。まだ諦めてはいけない。一戦必勝態勢で臨むこれからの試合は、当たり前のことだが、まず先発投手がキッチリ抑えることだ。今ドラゴンズ先発陣で一番安定しているのは中田とマルティネスだが、ルーキーと新外国人が頼り、というのでは情けない。当然、2本柱の川上・山本昌がもっと活躍してしかるべきだろう。2人ともこのところ調子を落としているが、こういうギリギリの場面で持てる力を発揮するのが「看板選手」の務めである。
昨日の川上もまだ本調子ではない中、7回を1失点とそれなりのピッチングを見せたが、しかし敵の「看板」金本に先制ホームランを許してしまったのは頂けない。たったの1点だが、これが打線の焦りを生み、下柳に再びしてやられる原因となった。逆にタイガースはこの1点で「JFK」を出す勝ちパターンに持ち込めたのだから、見た目以上に大きい1点だった。
そして打線も「看板」の3人、立浪・ウッズ・福留のバットにチームの浮沈が懸かっている。3人が打って先にリードを奪い、先発投手を楽にしてやることだ。落合監督も「これからは、給料の高い選手に頑張ってもらわないと」と語っていたが、ジャイアンツの9連覇も、長嶋・王の両看板がここぞという試合でしっかり仕事をしたからこそ達成できたのだ。逆転優勝のためには、投打共に「看板選手」の奮起を促したい。

そしてもう一つ、これは地元ファンにお願いしたいことだが、出来ればナゴヤドームに足を運んで、選手たちを直接応援して頂きたいと思う。
甲子園でタイガースが強いのは、スタンドを埋め尽くした熱狂的ファンの後押しがあるからだ。ところが先週金曜日のスワローズ戦は、ナゴヤドームの観客が今季最低の2万3千人と閑散としていた。これでは選手の闘志にも火が灯かないだろう。ファンの声援で、プラスαの力が発揮できるものだ。最後の戦いに臨む選手に、スタンドからもう一押し、熱い声援をお願いしたい。

バックナンバー