WBC 2次リーグ突破のキーマンは?
〜2006年3月10日(金)〜

3月に入り、オープン戦もたけなわだが、開幕投手に向けて川上が順調に調子を上げている。10日のファイターズ戦でも5回をノーヒットと完璧なピッチングを披露。開幕はほぼ間違いないだろう。一時は中田という説もあったが、素直にエースの川上で行けば野手も納得する。オフに契約更改を巡るゴタゴタがあったが、V奪回のカギを握るのは彼だ。今後も川上のピッチングには注目して行きたい。

さて、海の向こうでは、注目のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の1次リーグが進行中で、ひと足早くアメリカ行きを決めた日本も、いよいよ13日早朝(日本時間)から2次リーグに臨む。日本プロ野球界の悲願だった、メジャーとの真剣勝負が遂に実現するわけだが、こちらのキーマンはやはり、チームの核・イチローである。こういう短期決戦の場合、先に点を取る事が重要で、そのためには“斬り込み隊長”が必要だ。1番を打つイチローがヒットを打ち、塁に出て掻き回し、後続のバッターを波に乗せる…彼が、試合展開を有利に作っていく“ゲームメーカー”として機能すれば、自ずと勝利は転がり込んでくるだろう。普段は寡黙な彼が、今大会ではベンチでも大声を出し、チームを引っ張っているのは、その役割を認識しているからに他ならない。アジアラウンドでの調子は今ひとつだったが、韓国に敗れたことで、これまでにも増して闘志に火がついたはずだ。2次リーグでは勝手知ったるメジャーの投手が相手、一層の奮起を期待したい。

そして投のキーマンは、アマ時代から国際試合では土つかずの巨人・上原である。1次リーグでは初戦の中国戦に登板したが、2点リードした4回、パワーヒッターのワン・ウェイにまさかの同点2ランを浴びたのは頂けなかった。今回の大会は国際基準のため、ストライクゾーンが外角に広くなっている。上原が打たれた球は、まさにその『広がったゾーン』を突いた真っ直ぐだったのだが、問題はボールが高かったことだ。特にメジャーの強打者は、多少アウトコースだろうと、高めに浮いた球は軽々とスタンドへ持って行ってしまう。そうなれば試合は一巻の終わりだ。外角を突く際も、あくまで低めを意識することが重要。次回登板は同じ過ちを繰り返さないよう、心して掛かって欲しいと思う。

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