→TOPへ戻る←





セ・リーグ開幕 V奪回に向け、収穫と不安は?
〜2006年4月7日(金)〜

セ・リーグがいよいよ開幕、ドラゴンズは5試合を終えて3勝1敗1分けと、ペナント奪回に向けてまずまずのスタートを切った。勝った3試合のスコアは全て3−2の1点差ゲームで、しかも継投での逃げ切り勝ちというのがいかにもドラゴンズらしいが、この開幕5試合で見えた「収穫と不安」を挙げてみよう。

まず収穫だが、先発投手陣の安定ぶりには目を見張るものがある。カープ戦で先発した川上・マルティネス・ドミンゴ、そしてベイスターズ戦の山本昌は、いずれも先発としての責任を見事に果たすピッチングを見せてくれた。
序盤で崩れず、失点は最小限に食い止め、責任回数を投げ抜き、後続にバトンタッチする事、これが先発投手に求められる条件だが、今年のローテーションを担うピッチャーたちが開幕からしっかり仕事をしてくれた事は、落合監督にとっても心強い限りだろう。

そして野手では、立浪の充実ぶりも収穫だ。今年ダメなら引退、という決意をもってキャンプに臨んでいた立浪だが、今年は六・七番で勝負強いバッティングを見せ、今一つ当たっていない上位打線をカバーしている。また守備でも好プレーを連発。ドラゴンズに立浪あり、という存在感を示したのは流石だ。

一方不安は、トップバッターの荒木である。まずは荒木が塁に出て掻き回すのがドラゴンズお得意のパターンなのだが、出塁率が1割台というのは頂けない。開幕からのバッティングを見ていると、強引に引っ張りに行って凡打に終わるケースが目立つ。荒木が塁に出ないと、続く藤井・井端もチャンスを広げることが出来ず、四番・ウッズもランナーがいなければ、ホームラン狙いの力んだバッティングになってしまう。
荒木が斬り込み隊長としての役割を果たすこと、これがドラゴンズ打線に火をつける一番の特効薬である。一層の奮起を期待したい。

そして一番の不安は、開幕戦から5連投の守護神・岩瀬である。勝った3試合は全て岩瀬にセーブが付き、負けと引き分けの2試合は岩瀬が打たれ抑え損ねたゲームである。チームの勝敗はまさに岩瀬の左腕に懸かっているのだが、今シーズンは、去年のような絶対的安定感がない。去年1本もホームランを打たれなかった彼が、多村に同点ホームランを浴びたのが象徴的だが、ボールが全体的に高めに浮き、変化球のキレも今一つなのだ。抑えた3試合にしても、決して岩瀬本来のピッチングではなかった。
彼は去年のオフ、長年の蓄積疲労を取るため意図的に体を休ませたというが、私はそれが裏目に出たのではないかと思う。ボールが甘いのも体を絞り切れていないからで、要は調整ミスだ。ピッチャーの体というのは、一度緩んでしまうとなかなか元に戻すのが難しいが、優勝した2004年、足の指を骨折しながら開幕から登板。シーズン中に立て直して行った鉄人・岩瀬のことだ。この5連投は無理使いでなく、逆にいい方に出るのではないか。試合をこなして行く中で、本来のキレとリズムを取り戻して行ってくれることを期待したい。

バックナンバー


Copyright(c) 2005 CHUKYO TV. BROADCASTING CO.,LTD.