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注目の首位決戦 “強い巨人”にどう立ち向か うか?
〜2006年4月27日(木)〜

今シーズンのセ・リーグはジャイアンツの開幕ダッシュで始まったが、ドラゴンズも負けない野球を展開しており、首位に3ゲーム差の2位をキープしている。どうやら今年のペナントレースはこの2強を中心とした戦いになりそうだが、その両チームがいよいよ明日から東京ドームで首位攻防戦を行う。まだ4月とはいえ、今後の追い上げもにらんで、ドラゴンズとしては最低でも勝ち越したいところだ。

前回、ナゴヤドームでの対戦では、ジャイアンツが2勝1敗と勝ち越した。初戦に立浪の劇的なサヨナラ満塁ホームランが飛び出し、去年までなら勢いでドラゴンズの3連勝も有り得た展開だったが、続く2戦を投手力と集中打で快勝したところは「今年のジャイアンツは違うぞ」と思わせるものがあった。
今季どうしてジャイアンツがこんなに強くなったのか、理由はいろいろ挙げられるが、やはり新戦力がしっかり機能しているのが大きい。投手では、3試合連続完投勝利のパウエルに、中継ぎ起用のルーキー福田も既に3勝、そして新守護神・豊田も5セーブと、先発・中継ぎ・抑えに新顔が加わったことで投手陣全体が活性化した。
また野手では、四番イ・スンヨプの長打力はもちろんだが、小技と足を絡めた野球が出来る二番・小坂の働きも見逃せない。去年はただ振り回すだけで一発頼みだった打線が、小坂の加入で機動力野球が展開出来るようになった。元々選手個々の能力が高い上に攻撃の幅が広がったわけで、相手ピッチャーとしては非常に厄介な打線になったといえよう。

そして精神面では、今季からキャプテンとなった小久保の存在も大きい。彼は生え抜きではないが、ホークス時代に王野球を叩き込まれた一人である。王野球の本質とはジャイアンツV9時代の野球であり、徹底したチームプレーと、それを可能にするための猛練習など、首脳陣と選手たちのたゆまぬ努力があって成り立っていた。弱小球団だったホークスがあそこまで強いチームになったのも、王監督が「どうしたら勝てる野球が出来るか」を選手たちに徹底的に教育したからで、その薫陶を受けたのが小久保である。
一方本家ジャイアンツは、いつしかそういう野球が出来ないチームになっていたが、小久保が移籍して来たことが、本来の「王道野球」を思い出す契機になったのではないか。彼の野球に打ち込む姿勢を見習う若手も多いと聞く。去年までは清原がいたためどこか遠慮する部分もあったが、今年は小久保キャプテンを中心にチームが一丸にまとまっている。原監督も心強いだろうし、こういうチームはなかなか落ちて行かないものだ。

さて、この強いジャイアンツにどう立ち向かって行くかだが、ドラゴンズも本来の「守り勝つ野球」を展開するしかない。今回1・2戦は上原・内海が先発と思われるが、どちらも簡単に点を取れるピッチャーではないだけに、ドラゴンズ先発陣はとにかく先に点を与えないことが肝要だ。逆に言うと、攻撃陣は早い段階で先取点を挙げ、先発投手を楽にしてあげねばならない。荒木・井端コンビがいかにチャンスメイクするかも重要である。
僅差のリードで中盤に持ち込み、中継ぎでつないで、岩瀬が締めて勝つ、ドラゴンズの王道野球が展開出来るかどうか?今回の首位攻防3連戦は、勝敗だけでなく内容にも注目したいと思う。好勝負を期待したい。

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